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2013年7月31日(水) 9:00

親孝行は、すべての人間関係の土台である

日本親業協会親業インストラクター 福里 盛雄


1 親孝行は、人間としての幸せの土台である。


 今日の日常生活では、親孝行という言葉は、あまり聞こえなくなったような感じがします。世界第2次大戦以前までは、親孝行は子供の親に対する当然の義務とされ、子供の誇りとさえ考えられていました。しかし、古い封建制度の廃止とともに、わが国では親孝行の人間としての本質的理念も否定されてしまったのです。その影響を受けて、親も子も、子が親を尊敬し、老後の父母を大切にする責任感が希薄になったように考えられます。日本の若者は、他の国の若者と比較しても、親孝行の観念が低いと言われています。



 時代が、どんなに変化しようとも、永遠に変化しない人間の幸せな社会生活の基本的理念が存在し続けるのです。


 命がけで、自分を生み育て、この世で一番愛情を尽くしてくれた親を心から尊敬し、ご恩に報いる親孝行の思想は、人間にとって基本的な人格形成の土台でもある。


2 親孝行の効果


 親孝行は、私たちにどんな効果を与えるでしょうか。子供に尊敬され、優しく愛情豊かな親孝行の子供たちに取り囲まれて、毎日の生活を過ごすことのできる親は、そのような子たちを育てたことを感謝するでしょう。親孝行を実践している子供は、人間性の豊かさという大きな宝を獲得していることになる。この宝こそ、生きる大きな力となります。


 この宝を持たない者は、自分さえ幸せにできないし、家庭生活においても、幸せを築くことが大変困難だと言わなければなりません。


 また、親孝行心のない者は、他人との人間関係においても、幸せな人間関係をつくりだすことは容易ではないのです。したがって、自分の親に孝行もできない者は、ビジネス社会でも、成功は期待できないのです。自分の親を尊敬もしなかったり、優しくいたわりもしない者が、会社の経営者になったとしたら、その経営会社倒産を目前にしているような状態だと言うことができます。


 私の考えでは、世の成功者は、たとえ学歴もなく地位もなく、富もない親であったとしても、自分をこの地上に生み育ててくれたというこの事実だけで、心から尊敬し、敬い、愛情豊かに親孝行をすれば、自分もこの地上で幸せに長生きできるのです。


 また、自分の親孝行の生活を自分の子たちも、それを手本にして、自然と自分に対しても親孝行してくれるのは確かでしょう。このように、自分の親に対する親孝行が、自然と自分に対しての報いとして返ってきたことになります。


 現代の日本の家庭崩壊の大きな原因の一つは、親孝行は古くさい時代遅れの考え方だとして無視した結果、かえって、親孝行の多くの良い効果をも失ってしまった。私たちは、もう一度親孝行の人間としての基本的大切な理念を取り戻そうではありませんか。この理念は、人類の始めから私たち人間に宣告された幸せに生きるための理念です。


 このことが、今日の家庭で起きている多くの不幸なことの発生を防止し、明るい家庭生活を築くための重要な方法だと考えます。なぜならば、どのような家庭でも個人の集合体であり、その構成員の各人が親孝行の心に満ちあふれているならば、その家庭は何という幸せな家庭でしょう。


 このように、親孝行は私たちの日常生活を心豊かにする栄養剤だと言っても、言い過ぎではありません。