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行雲流水
2013年8月27日(火)9:00

「マララの国連演説」(行雲流水)

 世界の各地で戦争や紛争が絶えることはない。そのうえ、自然災害が多発、各地で多くの人々が悲惨な状況に置かれている。そのため暗いニュースが次々と世界を覆う

▼そうした中で、ひとつのニュースが世界の人々に感動を与えた。パキスタンの16歳の少女マララは先月12日、国連総会で演説、「すべての子どもに教育を受ける権利の実現を」と訴えた

▼パキスタンのタリバン支配地域では、女子が教育を受けることは反道徳であるとして認めず、女子学校の多くが破壊された。この強権支配と女性の人権抑圧を彼女は11歳のとき英BBC放送に告発、教育の機会を奪われた女性たちの希望の象徴となった。そのため、武装集団に銃撃され、重傷を負うが、奇跡的に回復、今回の国連での演説となった。彼女は語る。「私は変わらない。私の中で変わったことは、弱さ、恐怖、絶望が死に、強さ、力、勇気が生まれたことです」

▼多くの人が貧困、無学、不正、人種差別、そして基本的人権の剥奪に直面している。誰もが、平和に生活する権利、尊厳を持って扱われる権利、機会の平等の権利、そして教育を受ける権利のため、世界が戦略的に取り組むことを彼女は求めた

▼彼女はムハンマドやキリスト、仏陀の教えから「慈悲の心」を学び、ガンジーやマザーテレサなどから「非暴力」の哲学を学んでいる。彼女の存在そのものが学ぶことの大切さを示している

▼講演の結びは語る。「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、一本のペン、それで世界が変えられる」。(空)

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