2013年9月16日(月) 9:00

継続するか低価格航空運賃(下)

安価運賃堅持の策は?/市長「圏域全体の問題」


宮古-那覇線ではJTA、ANA、SKYが価格競争を展開している

宮古-那覇線ではJTA、ANA、SKYが価格競争を展開している

 低価格運賃が宮古圏域住民や入域観光客数に大きな恩恵を与えている中、安価な航空運賃をめぐる今後の動向は、住民だけでなく観光面への影響も懸念される。



 ■ 競争


 搭乗率の低空飛行に苦しむスカイマーク(SKY)が7月から実施している運賃の一律5000円は、起死回生を狙った一手でもある。
 担当者は「当日購入しても5000円は魅力だと思うし、夏休み期間中もこの価格を継続したが、それが住民になかなか浸透していない。他社のように広告でPRもできないし、そうしたいろいろなコストを削減しているからこそ、この価格で提供できている。実際に乗ってもらって、私たちの取り組みを感じてほしい」と話す。
 相対する日本トランスオーシャン航空(JTA)、全日空(ANA)とも、この夏はこの価格に対応した価格設定を強いられた。
 宮古-那覇路線で最も多い就航便数を誇るJTAの金城徹宮古支社長は「収支を考えると厳しい。しかし、対抗しなければ客は流れてしまう。特に夏の繁忙期などはある程度の売上げを確保する時期だが、こうした時期も低価格は厳しい。対策として費用削減の努力をしている」と述べた。安価な航空運賃は、こうした企業間の厳しい競争の中で生まれている。

 
 ■ 観光


 安価な航空運賃は、新空港の供用開始と相まって、石垣観光には大きなインパクトを与えている。入域観光客数は絶好調で今年は上半期だけですでに宮古の年間総数となる40万人を突破した。
 元々あった観光地としての魅力に加わった空の玄関の利便性向上と安価な運賃設定は、石垣観光にとって強い追い風となっているようだ。
 この追い風を先島全体の観光に反映させ、宮古への集客も期待したいところだが、不安要素として持ち上がっているのが現在の安価運賃が今後も継続されるかということだ。


 ■ 危機感


 SKYの搭乗率低迷について、下地敏彦市長は「継続就航してもらわないといけないが、もし撤退となって運賃が跳ね上がった場合、宮古観光への影響は大きい。現行金額を据え置く必要があると思う」と危機感を募らせる。
 宮古島観光協会の豊見山健児会長も「航空運賃については会社同士の競争でJTA、ANAとも値段を下げて対応しているので、住民は料金が同じであれば便利な便数が多い社に乗ろうとの発想が働いていると思う」と話した。
 さらに、豊見山会長は「3社が就航しているから現在の価格であり、この状況を守るための行動が必要」と指摘した。


 ■ 対策


 安価になった運賃は住民にとって大切な恩恵であると同時に、観光客にとっても観光地宮古島をより身近な存在にしてくれている。
 さらに、同じ先島の八重山圏域では新空港の供用開始と相まって、圏域観光は飛ぶ鳥を落とす勢いで、今年の入域客数は宮古の倍となる80万人以上を見込んでいる。
 そうした中で、航空運賃の価格差が生じた場合の住民生活、観光など各方面への影響を懸念する声は、日増しに高まっている。 
 下地市長は「とにかく宮古に訪れる観光客を増やすことが大切。それが就航する航空会社の利益にもつながる。常に宮古に3社以上の航空会社が就航できる環境を圏域全体で考える必要がある」と訴えた。
 時代の流れに伴う変化や新しい要素が生まれていく中で、住民の生活や地域の産業にもいろいろな影響を与えている。
 今回の航空運賃をめぐる影響についても圏域全体で現状に対する対策と未来を見据えた取り組みを実施することが重要となっている。