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まちからむらから
2013年10月13日(日)9:00

クイチャー文化で彩る地域力/平良荷川取集落

んきゃどぅら魂を国立劇場で/特選「沖縄の伝統芸能」出演


第1回の「特選 沖縄の伝統芸能」で、先島を代表して「荷川取のクイチャー」が披露された=9月28日、国立劇場おきなわ

第1回の「特選 沖縄の伝統芸能」で、先島を代表して「荷川取のクイチャー」が披露された=9月28日、国立劇場おきなわ

 宮古唯一の伝統芸能として、歌い踊り継がれるクイチャー。各地域で独特の踊りがあり、これまで民衆の喜びの場や雨乞い座、祭祀の中などで歌い踊られてきた。語源は「クイ(声)チャー(合わせる)」の意と、クイを「乞い」と解釈して神に「乞い願う歌謡」の2説がある。2000年には国の無形民俗文化財に選択され、誇れる伝統芸能として舞台演舞も盛んになってきた。先月、国立劇場おきなわで、「特選 沖縄の伝統芸能」が沖縄県・県文化協会主催で行われ、県内5地区の芸能が選ばれた。先島を代表して出演した「荷川取クイチャー保存会」(与那覇秀夫会長)は、栄えある第1回大会で見事にその力を発揮し、最後は出演者全員をクイチャーブドィに巻き込んだ。

 平良市街地から北西に広がる田園地帯を昔から「んきゃどぅら」と呼んでいる。ぶばかり石(人頭税石)をはじめ、真玉御嶽、白鳥伝承の残る湧川マサリャ御嶽など史跡の豊富さからも歴史文化の豊かな地域。1974年、故恩河長吉さんが先祖の貴重な伝統文化を絶やしてはならないと「荷川取クイチャー保存会」を結成して市民総合文化祭を皮切りに活動を開始、地域の活性化にもつなげてきた。

 特徴は、昔から豊年祈願、雨乞い、若い男女の娯楽として歌い踊り継がれ、伝承では、昔、一日の仕事を終えた村の若い男女が毎夜、「ミヤガーニヌウプユマタ」(宮金家の大辻)に寄り集まって明け方まで踊り明かしたという。歌は、豊作祈願、恋情、世相の風刺などが盛り込まれ、歌い手の先導で円陣を組んだ踊り手は「ズナラドゥズナラ!」(地響きを立てろ)とはやしながら大胆に跳ね踊る様が豪快。

 元々は手拍子と歌だけで踊られていたが、初代会長の恩河さんが自慢の三線に曲を乗せることに成功、後に締太鼓も入るようになって、さらに躍動感があふれるようになった。

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