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行雲流水
2013年11月21日(木)9:00

「離島フェア」(行雲流水)

 「離島フェア」をのぞいてみた。県内18離島市町村から特産品約1000点が出展されているとのふれこみだ。ひそかに「たこのくん製」を探しながら、ブース巡りをした

▼展示品の多くは食品だった。洗練された包装やデザインが目立つ。複数の食材を組み合わせた新製品開発も盛んだ。ネーミングもあか抜けしている。文化水準に高い低いはないが、テレビが流す東京文化との距離感が縮まっているように見受けられた

▼さて、「たこのくん製」探索だが、どのブースにもなかった。以前は、宮古空港の売店にもあったが、最近は見かけない。買う人がいないのか、捕る人がいないのか、くん製の方法がめんどうなのか。いずれにしても値段との兼ね合いだ。他島の〝適正価格〟はどうなっているか、興味があった

▼昭和20年代の宮古のかまぼこはおいしかった。ほぼ100%魚肉だったからだ。今のかまぼこは、昔の味を知っているお年寄りへのお土産品としてはもの足りない。値段は高くてもいいから昔の味を作り出せないものか。そんな思いも手伝って、たこのくん製品の原価を知りたかった

▼大神島では、たこの穴場は父子相伝。嫡子にしか教えないと聞いたことがある。他の離島でも同じ習慣があるのでは、と想像していた。だが、そんな伝統社会はすでに崩壊してしまっているようだ

▼どの離島も高齢化と商品経済の波に洗われているのであろう。伝統的な漁法や生活習慣はもはや成り立たなくなっているのかも。たこ捕り名人物語は伝説の世界になっているようだ。(柳)

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