イネヨトウ800㌶で防除へ
伊良部・下地島 キビの育つ全地域
県農林水産部は、サトウキビの茎を食い荒らすイネヨトウやカンシャシンクイハマキなどメイチュウ類のフェロモン防除を来年3月、伊良部と下地島で大々的に行う。面積は797㌶とかなり広く、キビが育つすべての畑が対象になる。県は作業が地域ぐるみとなるため28日、伊良部で説明会を開き関係機関の職員や農家代表に事業への協力を求めた。
フェロモン防除は新しい技術のため、その普及を目的に事業を展開している。宮古では多良間村に次いで2カ所目となる。
フェロモンは、雄を惑わせて交尾をかく乱する物質。交尾する機会が減り、次世代を次第に減らす防除法で高い効果が平良福山などの実験で判明した。
防除にはフェロモンを染みこませたチューブを使い、畑を取り巻くように設置する。
県内におけるイネヨトウの最初の異常発生は、2007年に与那国町で確認された。11年は伊是名村で被害が大発生。キビの反収は平年の半分以下の2・7㌧に減り、深刻な被害がクローズアップされた。
イネヨトウの幼虫は成長点や節を好んで食べるため、芯枯れや強い風が吹くと折れるなどの被害を起こす。食害痕から赤腐菌が侵入し、糖度を低下させる2次被害もある。
普段の防除については、イネ科が寄主植物になることから、イネ科雑草の除去徹底もかなり有効になると強調する。