ジブリアニメに学ぼう
宮古高校で出前講座/県内外の大学教授ら
県内外の大学教授による出前講座が4日、宮古高校で開かれた。九州女子大学、九州女子短期大学准教授の河原木有二さんはジブリアニメをテーマに講座を開き、宮崎駿監督のメッセージを含めてジブリ作品の魅力を余すことなく伝えた。
出前講座は宮高の1、2年生が21の教室に分かれて受講した。琉球、沖縄、名桜の県内各大学や九州女子大、大阪観光大の教授、准教授が講師を務めた。
講座内容は道徳、犯罪と刑罰、語学、スポーツとコーチング、デザイン、観光学など多様。生徒は教室ごとに学んで大学への関心と進路意識を高めた。
ジブリアニメを取り上げた河原木さんは「ジブリアニメを通して、日本、世界の文学に近付く方法を見付けられるのではないか」と話し、ジブリをきっかけに文学に対する興味、関心を深めるよう促した。
ジブリ作品のうち「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」を比較。「トトロの時代背景は昭和30年代の設定に対して千と千尋は平成。親子関係でも時代背景を映し、自然環境への訴えもある」と話し、そこに作り手の思いが込められていることを指摘した。
「崖の上のポニョ」でも自然を重視する作り手の意図を紹介。「ポニョが住む海の底が美しいことに対して、人間界が接する海の浅瀬の汚さが描かれている。環境、自然へのメッセージだと思う」とした。
河原木さんは「物語を分析するという作業は学問になり得る」と強調。ジブリアニメを通して文学に対する理解を深め、感性を磨き続けるよう促した。