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行雲流水
2013年12月28日(土)8:55

「日の丸」(行雲流水)

 今年もあと3日で暮れる。年の瀬の慌ただしさやにぎわいが街中でも家庭でも感じられなくなって久しい。祖国復帰前まで社会は貧しかったが正月を迎える家々では一年の埃を払い、飾り物をそろえ自家製の鏡餅をこしらえたものだ

▼西里、下里、市場通りの商店は大売出しののぼりや色鮮やかな飾りで通りを華やかにし、城辺、下地、上野、狩俣のバスの停留所から大勢の人が商店街に流れて大いににぎわった。年あけて元旦になると家々の門には日の丸の旗が掲げられ、新しい年を祝った。日の丸は祖国復帰運動の象徴でもあった。琉球を支配するアメリカ軍政に対してここは日本であることを示す人々の気概でもあったのである

▼日の丸の歴史は古く、太陽をかたどった旗として使われるようになったのは西暦701年にさかのぼるとされている。古代、太陽は国家統治の象徴であったことは日本に限ったことではなかったが、「白地に赤丸」の旗としたのは日本だけである

▼第2次世界大戦で敗戦国となった日本は、日の丸の掲揚を連合軍総司令部の指令で禁止された時期もあった。その背景には、日の丸が国旗としての法規定がなかったことにあったようだ

▼平成11(1999)年になって「反・日の丸」を主張する政党や団体もあったが、日の丸を国旗とする法律が制定された。『国旗および国歌に関する法律』である。たった二条からなる法律で、その第一条に「国旗は、日章旗とする」と定められた

▼しかし、祖国復帰直後の沖縄では手のひらを返すように日の丸を疎んずるようになった。以来、家々の門口から日の丸が消えた。

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