2014年1月23日(木) 8:55

「民謡」(行雲)

 日本の民謡には、経済にまつわる歌が多いといわれる。♪ニシン来たかとカモメに問えば、♪会津磐梯山は宝の山よ。しかし、沖縄の民謡には叙情歌が多い。そう語った評論家がいた。その理由は聞きもらしたが、当否はいざ知らず、言われてみるとそんな気がしないでもない


▼もともと、民謡は生活に根ざしたもの。いま歌われている宮古民謡の歌詞や曲は定型化されているが、昔はその時々の心象を反映したものだったのではないだろうか。もと歌にはかなりの幅があったのではないかと思ったりする


▼昭和20年代に体験したひとつの情景がある。当時、わが家には慶応生まれのガバンマ(曾祖母)がいた。そのためかどうか、正月祝いは新暦と旧暦の2回あった。旧正月には明治生まれのマイバラ ヌ シュー(前隣の老爺)があいさつに来る。酒やウサイ(肴)を運ぶ小僧として控え、二人の歌のやりとりを側聞した


▼いま思えば、曲は伊良部トーガニ、歌詞は即興だった。今朝の天気から始まり、豊作祈願、世の習いと人の心の移ろい、敬愛する姉弟のちぎり等々、途切れることなく盃と歌のやりとりが続く


▼返歌のタイミングも絶妙だった。必ずしも最後まで聴き終えてから歌いだすのではない。途中でも琴線にふれる言葉に出合えば、♪ンーユーマンティ~アンガガマ~(ウトゥガマ~)と合いの手を入れて引き継ぐ。芝居をみているようで、見事なやりとりに聞きほれていたものだ


▼あれから60余年。旧正月をおだやかに寿いでいた即興詩人たちはもういない。

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