2014年1月23日(木) 8:55

世界は子どもたちに託されている/水野 しづえ

2014.1.23 ペン遊ペン楽


 毎日のように報道されるさまざまな事象から感じられるのは、この「世界」は常に変化し続けているということだ。ある一部の説に基づくならば、世界は「パラダイムシフト」が加速しつつあり、多様な価値観が共存する時を迎えようとしているということとなる。しかし、一見すると多様性に満ちて豊かになった感あるこの日本で、それが幻想のように感じざるを得ないような現実も片方に厳然としてある。


 沖縄県は平成25年12月25日、待機児童が発生している24市町村の待機児童対策として、その解消に向けた定員増の計画を発表した。沖縄県の推計を基に、2018年4月の「保育拡大目標値」を1万1393人と新たに設定し待機児童ゼロへの道筋を模索する。この数字から見て取れることは、沖縄ではそれほどに多くの子どもたちの「保育」が保障されていないという現実だ。全県規模で保育所のそして保育士の圧倒的な不足は、ここ沖縄での永年の課題であり続けてきており、なおかつ喫緊の課題である。


 そのため平成25年11月25日に開設された「沖縄県保育士・保育所総合支援センター」(沖縄産業支援センター内)は、「認可化促進サポート事業」「保育士就労サポート事業」「賃貸物件等マッチング支援事業」の3本の柱を軸に待機児童ゼロを目指す。


 わたしはそのメンバーの一人として、「保育士就労サポート事業」を担当することになったのだが、沖縄の保育事情を改めて確認するに至り、ある種の驚きを禁じ得ないでいる。


 沖縄の保育は本土のそれとは異なる事情を内包して今日に至っている。戦後の歴史が影を落とした一つの沖縄の姿がそこにあるともいえる。そもそも、どの地に生まれようと、子どもの権利が保障されるのはいうまでもない。現在は保育の必要性の判断が、主に保護者の就労を軸とされていることからすると、子ども自身が必要とする保育をどのように実体化するかという課題とは拮抗することになる。子どもの保育を受ける権利を実質的に保障するという観点が乏しいともいえる。保育環境を整備することは重要であるが、子どもの側から求められる保育の質も同時に論議される必要がある。


 多くの課題解消の成功と、沖縄の子どもたちの保育環境があるべき姿として実現されるためには、どこかの誰かだけが取り組めばいいということにはならないだろう。行政が、保育所が、保育士(潜在保育士も含めて)が、親たちが、そして誰もがそれを自分の手元に引き寄せて捉える必要がある。


 子どもという存在は未来の「予祝」である。沖縄の未来は、適切な保育環境で育てられた子どもたちのしなやかな成長に託されている。そして立派に成長した彼らがこの沖縄をどのようにグランドデザインするかにかかっている。今回の「沖縄県保育士・保育所総合支援センター」の取り組みに大きな期待が寄せられるのは当然でありかつ必然のことだろう。


 いったい、これを乗り越えた先にどんな風景が待っているだろう。


 わたしは自らの選択にコミットメントする。しかし同時にそれは、今の沖縄の保育の現状をつくりだした大人たち全ての、新たな価値創造へのただひたすらな「本気」にかかっているということも真摯に受け止めている。
](キャリアコンサルタント)

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