03/29
2024
Fri
旧暦:2月19日 友引 辛 
まちからむらから
2014年2月23日(日)8:55

島環境をグローバルに発信/池間小・中学校

海洋ごみ問題を世界に問う


映画の1シーン。漂着ごみを拾う子どもたち(提供写真)

映画の1シーン。漂着ごみを拾う子どもたち(提供写真)

 8日、シネマパニック宮古島で池間島のクリーンアップ作戦を取り上げた映画「みんなの海だから」(監督/佐竹敦子・ニューヨーク在)が上映された。2003年に宮城克典教諭(現在、宮古教育事務所主任指導主事)が池間中学校在任中に海洋漂着ごみの清掃を学校、地域に呼び掛け実施したのがスタートだった。06年に、散乱防止活動部門で環境大臣賞を受賞、その後も学校では「総合」の時間にビーチクリーン活動を行い、現在38回を迎えている。こうした現状に注目した佐竹監督は、海洋ごみ問題をアジアに、そして世界に問いかけようと短編ドキュメントを制作、海外などで上映してきた。その反応は着々と世界の子どもたちにも影響を及ぼし始めている。

映画上映後観客とディスカッション

 佐竹監督は、映画上映後「海洋漂着ごみの回収や処理の問題は未だに国際的なルールのないまま、ごみの流れ着いた国や自治体に一方的に負担がかかっている状況。海洋生物への汚染は言うまでもない。この映画を通し池間島から世界へ問題解決へのメッセージを発信していきたい」と述べた。映画の中では学校給食のごみ削減で、ニューヨークの小学生にこの映画を見てもらう場面もあり、子どもたちは「地球を守りたいという気持ちはみんな一緒だから、今行動しないといけないね」という感想を述べていた。

 観客たちの熱のこもったディスカッションも行われた。いけま福祉支援センターの理事長前泊博美さんは「NPO活動は、島で育てられた者として恩返しのつもりで行っている。海洋民俗は海が原点、昔の海はこんなもんじゃなかったと言う高齢者の言葉を聞いたとき、何とかしなくちゃあと思った。昔の環境に戻すということを、一人一人が足元から考えていかなくちゃならない、映画を見てそのことを強く感じた」と述べた。

 また、Iターンの女性は「昨年移住したが、島の隠れた所に家電ごみが放置されている。また、そうしたごみが、島内で処理できないことを知りカルチャーショックを受けた」と話し、みんなで知恵を出すことの大切さを訴えた。また、漁師の勝連さんは「海を汚しているのは実は漁師だということが分かり、20年前から、海に物を捨てない習慣をつくろうとみんなに呼び掛けてきた。ごみを出したのは我々です、と言い聞かせ、ごみを出さない習慣をつくっていこう」と、習慣化することの大切さを強調した。

 3年前からNPO法人宮古島海の環境ネットワークを開設し、島のビーチクリーンに力を入れる代表理事の春川淳さん(42)は、「池間島に住んで7年、シーカヤックやエコツアーをなりわいとしているが、オフシーズンの10月から4月にかけては、市民にも呼び掛けて漂着ごみ拾いを行っている。私たちは世界に誇れる宮古島の海の環境を守り、孫の世代まで美しい海を残していきたい」と話し、一人でも多くの参加を呼び掛けた。

カテゴリー一覧

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!