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2014年6月1日(日) 8:55

「人のことばには、人をつくり変える力がある」

沖縄国際大学名誉教授 福里盛雄


1 人のことばは、その人の心の鏡であり、人間関係を創造する力がある。


 ことばは、その人の心を外部に映し出す鏡である。私たちは、相手がどんなことを思い考えているかは、その人のことばによってはっきりと判断することができます。


 ですから、私たちの人間関係の結びの絆の善し悪しも、交わされるお互いのことば如何により左右されたりします。私たちはお互いのことばの交流によってお互いを理解し合い、2人の関係を深めていきます。
 また、ことばは、両刃の剣だとも言われています。
 韓国の修学旅行の高校生を乗せた船の沈没の悲しい事故は、〝絶対動かないで〟という船長の船内放送のことばを生徒たちが信頼し、それを信じ、そのことばに従ったために助かったかもしれない若い多くの命を失わせる結果となりました。もし、船長が船が沈みかかっているから、脱出しなさい、と放送したならば命を失わないで生き残った学生も多くいたかもしれないと思うと大変残念でなりません。
 このように、ことばは人の生死を左右する場合もあります。ヒトラーは、ことばによって、反ユダヤ人思想をドイツ国民に吹き込み、600万余人のユダヤ人を虐殺させたのです。ヒトラーは、人を動かすことばの威力を十分認識し、ことばの威力を巧みに悪用した指導者だったと言えます。


2 私たちは、習慣的によいことばが唇から流れでるようにするためにはどうすればよいか。


 よいことばは、人に喜びを与え、人に自信を持たせ、生きる希望と夢を与えます。そのようなことばが、自然と唇にのってくるためには、その人の内部が愛に満ちあふれていなければなりません。愛の人は、人の成長を心から喜び、そのためにその人の特徴に心細かに目を配り、見逃さずに褒める習慣を身につけています。ある一級建築士は、〝あなたは、線引きがとっても上手だ〟という先生の褒め言葉によって現在の一級建築士になることができましたと話しています。
 また、ある高校の英語の先生は、自分が英語の先生になることができたのは、中学生のとき、あなたは、英語の発音が上手だ、という先生のことばのおかげです、と言っています。また、ある人は、小学生のとき、犬の絵を描いているのに、先生からこれは豚の絵か、と言われて恥ずかしくなり、それ以来絵を描くのも、観るのも大嫌いになった、と話しています。
 このように、話す側にとっては、何でもないようなちょっとしたことばが、それを受け取る側にとっては、大変な影響力を与えることが理解できたかと思います。
 私たちの創造主も、ことばで万物を無から創造し、私たち人間を、ご自分の栄光を現すために御自身のかたちに創造されました。そして、人間が意思交流の手段としてことばを与えました。私たちはことばの交流によって、今日のような高度な文化をつくることができました。以上、述べたように、〝親切なことばは蜂蜜、たましいに甘く、骨を健やかにする〟(聖書)ということが真理であることを知ることができました。
 私たちは、他人との幸せな関係を維持するために、人の成長を手助けできるようなことばを相手に対して与えなければなりません。渋柿が甘い実をつけることはできません。なぜなら、渋柿は渋い実を付ける性質をもっています。渋柿からは甘い実を期待することは不可能です。甘い柿の実を期待するなら甘柿を育てなければなりません。それと同じように、よいことばを唇に乗せるためには、自分の内部を愛で満たすことが、先決問題だと考えます。ことばは人に平安と不安を与え、希望と失望を与える両刃の剣です。

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