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2014年7月8日(火) 8:53

ジュゴンの海

 小川未明の『赤い蝋燭(ろうそく)と人魚』の人魚は、この世界の中で一番優しいものは人間だと聞いていたので、子どもを島の海岸で産んだ。お宮のある山の下で蝋燭を作って売っていた老夫婦がそれを拾い、だいじに育てる

▼子どもは美しい、利口な娘になるが、姿がかわっているので、人目につかないように暮らしていた

▼娘は絵が好きで、おじいさんのつくった白い蝋燭に、赤い絵の具で上手に魚や貝の絵を描くようになる。それが評判になり、蝋燭がよく売れるようになる。不思議なことに、この絵が描かれた蝋燭を山の上のお宮にあげて、その燃えさしを身につけて海に出ると、大暴風の日でも災難に遭わないということがうわさにのぼる

▼ところが、見世物の興行を業とする香具師(やし)がこの話を聞きつけて、金儲けに使うため、娘(人魚)を売ってくれるよう老夫婦に大金を提示する。老夫婦は断るが、ついには、大金に心を奪われて、泣く娘を売ってしまう。連れていかれるとき、娘はせきたてられるので絵を描くことができず、手に持っていた蝋燭をみんな赤く塗ってしまう

▼それから、誰がお宮にあげるのか、毎晩赤い蝋燭が灯るようになる。その赤い蝋燭を見ただけでも人は災難に遭うということで、船乗りは、沖からお宮のある山を眺めて恐れるようになる。いく年も経たずして、その下の町は滅びてしまう

▼太古の昔から、山原(やんばる)の山を眺め、心豊かに暮らしていた人魚(ジュゴン)のほえる声がいま、辺野古の海から、聞こえてくるという。(空)

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