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行雲流水
2014年7月24日(木)8:55

「県民所得」(行雲流水)

 内閣府は先月、都道府県別「1人当たり所得」を発表した。沖縄は202万円で、全国最下位。全国平均の69%の水準だった。これを他県や他国と比べてみると、いろんなことに気づかされる

▼沖縄の所得を全国平均並みにしたいとの思いは、高望みのようだ。全国平均(292万円)は、10位の大阪に匹敵する位置だからだ。36道府県を抜き去ることは容易なことではない

▼沖縄の所得は全国最下位とはいえ、シンガポールを除くアジア諸国よりは高い。IMF(世界通貨基金)が発表した「世界ランキング」によると、上位は北欧諸国が占め、日本はシンガポール、米国、クウェートに次いで12位。沖縄は韓国(35位)や台湾(39位)のやや上の位置に相当する

▼台湾、韓国に次ぐマレーシアは65位(約105万円)、続く中国は90位(約60万円)。その他のアジア諸国は100位以下だ。経済大国中国や成長著しいインドであっても、13億人前後の人口をかかえているため人口割では低く出る傾向にある

▼平均値は水準を知るには便利だが、ほんとは〝分布のかたより〟を問題にすべきであろう。中国で噴出しているさまざまな問題も、所得格差のゆがみに起因しているように思える

▼わが国の地域間格差是正策の一つは、地方交付税だ。ちなみに沖縄への地方交付税は、1人当たり56万円相当額だった。だが国連が主導すべき国家間格差是正策は見えない。「各国の自己責任」(あるいは主権の尊重)が貫かれているのだろうか。(数値は2011年度。1ドル=102円換算)

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