市こども劇団、東京で初公演
島の歴史や文化アピール/会場満席「貴重な体験」
【東京支社】宮古島市こども劇団(団長・下地敏彦市長)の初の東京公演が26、27の両日、都内の座・高円寺1劇場で行われた。劇団OBを含めた団員30人が歌あり踊りありのオリジナル創作劇「はしり星にのって~あの空となり海となり」を熱演。東京在住の宮古出身らで満席となった会場に、島の歴史や文化をアピールした。
子供たちは、観客との距離が近い演劇専門劇場での公演に緊張気味だったが、舞台終了後は「リハーサル以上に楽しくできた」と満足そうだった。
東京公演には同劇団OB3人も加わり、後輩たちと一緒に盛り上げた。
都内で舞台俳優を目指して勉強中の伊佐瑞人さん(宮高卒)は「後輩と一緒に舞台に立ててうれしい」と笑顔だった。
初日の公演終了後には、下地市長、演出を手掛けた杉本孝司さん、脚本家のいずみ凛さん、座・高円寺1劇場の桑谷哲男館長による「ポスト・パフォーマンス・トーク」が行われ、子供たちの可能性や夢を育てることなどについて意見を交わした。
下地市長は「東京での公演で得た貴重な体験は、子供たちの将来に大きく役に立つものになると期待している」とあいさつ。杉本さんといずみさんは「宮古の子供たちの魅力に圧倒された」と話した。
劇団員たちは公演に来てくれた観客一人一人に、感謝の気持ちを込めて黒糖を配布するなど交流も深めた。
「はしり星-」は現代の宮古島が舞台で、偶然、ウリガー(降り井)に居合わせることになった少年少女たちが、100年に1度の大流星群が降る時刻に昔の宮古島の人に出会い、島の歴史や文化を学んでいく。
今年1月のマティダ市民劇場での初公演では、子供たちの演技力と地域のアイデンティティーが強く印象付けられたストーリーで感動を呼んだ。