県畜産共進会 来年は宮古開催
36年ぶり、地元要請実る/宮古牛の全県アピールへ
県内で生産された肉用牛の改良技術を競う県畜産共進会の種畜部門肉用牛審査が2015年の11月に宮古島市で開催されることが決まった。同市での開催は1979年以来36年ぶり。市や畜産関係団体による要請が実った。宮古和牛改良組合の砂川栄市組合長は「宮古の牛を全県にPRできる絶好の機会だ」と歓迎、共進会開催に伴う一層の肉用牛振興に期待を込めた。
県の共進会は持ち回りの時期もあったが、近年は糸満市にある南部家畜市場での開催が定着。宮古島市の畜主は代表牛を船で沖縄本島に運ばなければならないため負担が大きかった。
さらに、一部の牛が船内で長時間揺られてストレスを抱え、体重を落として万全な状態で審査に臨めないなどの課題もある。
市や畜産関係団体はこれらの現状および輸送に関する平等性の確保に加え、県共進会の開催に伴う肉用牛産業の一層の振興を図る観点から宮古島市での開催を求めてきた。下地敏彦市長も強く望み、関係機関・団体へ働き掛けてきた。
これを受けて、県畜産共進会協議会が総会の中で協議。農家や関係団体への周知徹底を条件に伏して宮古島市開催を決定した。具体的な期日は今後詰める。
県の共進会開催に伴って期待されるのは宮古代表牛の上位入賞。個人戦、団体戦ともに熱を帯びるのは必至だ。和牛改良組合の砂川組合長は「宮古には優れた牛がたくさんいるが、今からしっかり選抜しなければならない」と万全な体制で臨む決意を示す。「県共進会は絶好の機会。良い牛を出して宮古の牛を全県にアピールしたい」と波及効果にも期待を寄せた。