宮古から宇宙飛行士を/開発基地の誘致提案
下地島空港の可能性探る/山崎直子さんら講演
2010年に日本人女性宇宙飛行士としてスペースシャトル・ディスカバリーに搭乗した山崎直子さんらを招いての講演会「~沖縄から宇宙へ~下地島スペースポートを考える講演会」(主催・宮古島未来活性化研究会、スペースポート・アジア・コンソーシアム)が13日、平良港ターミナルビルで開かれた。会場は子ども達を含む200人以上の来場があり、山崎さんらの宇宙の話に釘付けにな
った。PDエアロスペース社長で宇宙開発エンジニアの緒川修治さん、米国民間宇宙飛行士のブライアン・ビーニーさんが下地島空港に宇宙開発基地の誘致を提案した。
講演会で山崎さんは、スペースシャトルに乗るまでに11年間の訓練を行ったことや、国際宇宙ステーションでの生活の様子、地上とは異なる宇宙での現象についてスライドを用いながら分かりやすく解説した。
山崎さんは「将来は宮古島からも宇宙飛行士が誕生することに期待している」と述べ、「なんくるないさ(何とかなるさ)という沖縄の言葉が大好きで、そのような精神によって、人類の新たな道が生まれてくるのだと思う」と述べた。
山崎さんの講演の後、会場からは宇宙についての質問が数多く上がり、その中には「地球に帰って、どれくらいの時間で重力に慣れるのか」などの具体的な質問も上がった。
PDエアロスペースの緒川さんは現在、同社で進めているロケット開発の様子などを紹介。ロケットエンジンの映像などを見せながら、宇宙開発事業は今後、事業として十分展開が可能であることや、下地島空港は宇宙開発支援を行う開発訓練基地の「サブオービタル」として最適地であることなどを強調した。
また、現在、県が事業公募を行っている下地島空港の利活用提案として、同社が参入するコンソーシアム事業でスペースポートの事業提案を行うことなどを説明した。
世界で2人しかいない民間宇宙飛行士のビーニーさんは、アメリカでは実際に民間が宇宙開発に参入している事例を紹介し、日本でもその事業化は可能であることなどを説明した。
同講演会は宮古島未来活性化研究会(奥平幸司会長)ら宮古青年会議所のメンバーを中心にして実現した。