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まちからむらから
2014年9月28日(日)8:55

集落に迫る市街地化の波/止まらない建築ラッシュ

変わる五勇士の里/平良久松地区


来年1月に供用開始となる伊良部大橋。地域振興の新たな起爆剤と期待される。

来年1月に供用開始となる伊良部大橋。地域振興の新たな起爆剤と期待される。

 五勇士の里に迫る変化の波~時は平成、昭和も遠くなった今、島人の暮らしぶりは日々変化を遂げている。世界のグローバル化の波は、いや応なしに辺境と称された島にも押し寄せている。核家族化、少子化、高齢化、都市化、そして情報化など、暮らしの変化を表した言葉は島人にとっても日常的なものになっている。変化、それを島人はどう受け止め、どう対応しようとしているのか。今、島で最も変化が著しいとされる久松・五勇士の里にそれを追った。

 明治の日露戦争時、島の沖行くロシア艦隊の動きを察知し、日本に価値ある戦略的な情報をもたらした五勇士の里としてつとに知られる平良字久貝と字松原地区。併せて久松と呼ぶ。平良市街地とカママ嶺で隔てられ、伝説に彩られた海沿いの集落といった趣きの里だったが、近年その様相が変わりつつある。

 夢の大橋と宮古郡民が期待する「伊良部大橋」の平良側起点が久松だ。その着工が合図のように、近くの幹線道路沿いに住宅が立ち並び、それに誘われるように総合病院、大型ショッピングモールが出現。併せて大型家電店や衣料品店、薬局、本屋、コンビニ、ガソリンスタンド、暮らしに必要とされるありとあらゆる事業所が押し寄せた。アパート・マンションが集落近くまで立ち並び、建設ラッシュは続いている。大橋の供用開始が予定される2015年1月を過ぎてもなお、その勢いはとどまらないと、大方の地区住民は予想する。

 その勢いに沿って地価も上昇。不動産関係者によると「坪単価3万円程度とみられていた土地が、今では10~15万円に評価されています。中には20万円以上で取引された例もあるほどで、今後も上がることはあっても下がることは無いでしょう」と言う。

 まだ畑地も多くみられるが、それも「ニーズはあります。実際、水面下ではさまざまな売買交渉が重ねられています。この勢いがどこまで続くのか、われわれも予想しにくいのですが、近くに生活用品を供給する店舗があり、病院や学校もある。加えて、海と浜辺という自然がある。住宅地としては申し分ない環境ですからね。5~6年でさらに様変わりするのでは」と不動産関係者は続ける。

 その「様変わり」として、市街地化の波が久松集落まで及ぶということだ。
 その流れと勢いについて久松の住民の認識は、小異はあっても「確実に及ぶ」とみている。

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