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行雲流水
2014年11月27日(木)8:55

「人口逆転」(行雲流水)

 宮古の人口は、八重山の人口を常に上回ってきた。だが、今年度中に逆転する見通しだという。県統計課の発表によると、10月1日現在の宮古の人口は5万2732人。八重山との差は81人に縮まった。歴史的な逆転現象が起きようとしている(11月23日「琉球新報」)

▼宮古の出生率は八重山より高い。だが、宮古は転出者が多く、八重山は転入者が多いという。この背景には、住みやすさ、暮らしやすさというテーマが潜んでいる。とりわけ働く場所があるか、ないかが問題となるであろう

▼県が今年策定した「人口増加計画」では、2100年には宮古5万4000人、八重山7万1000人を想定。その間、雇用の場の確保や移住者の定着対策、子育て環境の改善などに取り組むとしていた。逆転は想定内だとはいえ、時期は予想以上に早い

▼他方、日本創生会議の「全国市区町村別の将来推計人口」によると、2040年の宮古島市の人口は3万7778人、石垣市は4万5565人となっている。これは対策を打たずに現状のまま推移した場合の想定だ

▼人口減少に歯止めをかけるためには、雇用機会の創出が必要だ。つまり、産業の振興が重要だ。出生率が高くても、高校や大学を卒業した子どもたちの就職先がなければ〝もぬけのから〟になる

▼若者に魅力のある地方をどのように形成していくか。先の臨時国会で成立した〝地方創生法〟を活用して新規事業を立ち上げるときだ。できない理由を並べるのではなく、どうすればできるかを考究していきたいものだ。

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