輸送コスト低減で進行/衆院選沖縄4区
地域の声聞き行動へ/初当選の仲里氏が抱負
【那覇支社】衆院選沖縄4区(宮古島市、多良間村など)で初当選を果たした無所属新人の仲里利信氏(77)は当選から一夜明けた15日、宮古毎日新聞社のインタビューに応じた。取り組むべき宮古圏域の振興策として「農産物の輸送コストの低減、航空機や船舶運賃の低減、助成策を検討し、離島振興を図っていきたい」と公約の実現に意欲を示した。
仲里氏は、来年1月開通予定の伊良部大橋や下地島空港の利活用について「(下地敏彦)市長や地域の声を聞きながら行動していきたい」と述べた。民間航空機以外は認めないとする「屋良覚書」を挙げ「下地島空港は平和利用でなければいけない」と強調した。
さらに仲里氏は、地産地消の推進を挙げ「観光客に地域の特産物を使った料理を提供することも一つの方法」と話した。
4期16年にわたり自民党の県議を務め、県議会議長も務めた。
2年前の前回衆院選では、相手候補である西銘恒三郎氏の後援会長も務めた超短期決戦に加え「知名度もなく、ある意味ではゼロからのスタート」(仲里氏)。「無所属で何ができるか」「自民党に戻るのではないか」などと言われたが、「公約違反をして涼しい顔をしている人たちに、沖縄は任せられない」と奮い立った。
勝因を「相手候補(西銘氏)が(普天間飛行場の県外移設の)公約を破棄した事に対する有権者の反発があった。辺野古への基地建設を容認した張本人だったことに対する風当たりが強かったと思う」と語った。
国政の場で真っ先に取り組んでいく仕事は「沖縄に新基地を造らせない」「二度と沖縄に戦争ができる体制をつくらせない」だ。
「沖縄の状況を世界に訴える。アメリカの関係省庁や国民にも沖縄の声を伝える。行動あるのみ」と力を込めた。
選挙区で当選したほかの3人はそれぞれ違う政党に属している。「幸い私は政党のバックボーンはなく、あくまでもフリーハンド」と、政党の方針に縛られない無所属の立場を強調。「私は潤滑油的な役割を果たして仲立ち役をしたい」と話した。
「宮古には実質的には1回しか行っていないが、多くの票をいただき本当に感謝している。今後は皆さんと膝を交え要望を聞きながら、国政の場で力を発揮できるよう頑張りたい」と語った。