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【特集】新年号
2015年1月1日(木)8:53

平良

「生きる知恵」学ぶ/池間島
高齢者が「島の宝」伝授/いけまシマ学校が開校


「昔ながらのみそづくり」では島に伝わる童歌を子供たちとお年寄りが一緒に歌い、作業に取り組んだ=池間島離島振興総合センター

「昔ながらのみそづくり」では島に伝わる童歌を子供たちとお年寄りが一緒に歌い、作業に取り組んだ=池間島離島振興総合センター

 受け継ごう「アマイウムクトゥ」-。昨年4月19日、いけま福祉支援センター(前泊博美理事長)のいけまシマ学校(儀間利津子校長)が開校した。昨年11月までに7回実施され、島の高齢者たちから島の文化、歴史、習慣、料理、歌などいろいろな分野の「島の宝」を継承する取り組みを展開した。

 このシマ学校は、高齢者の誇りや生きがいを取り戻すこと▽民泊における雨天の時のメニューとしての活用▽地域文化の直接的な継承-などを目的に、ニッセイ財団「地域福祉チャレンジ活動助成」を受けて行われている。

 これまで、伝統のフキャギ(吹上もち)作りや島の野草を使ったジューシーやあえ物づくり、昔ながらのみそづくりのほか、島に昔から伝わる童歌(わらべうた)などを地域のお年寄りたちから学んだ。

 11月に行われた昔ながらのみそづくりでは、大豆をきねでつぶす作業に池間小中学校の児童生徒が挑戦した。

 きねで一生懸命に大豆をすりつぶす作業を行っていた子供たちが、前回のシマ学校で学んだ「アウマチャガマ」や「マーイウツヌアーグ」を突然歌い出すと、お年寄りたちも一緒になって笑顔で歌い出す光景も見られた。

 儀間校長は「お年寄りたちと子供たちがこうして一緒の時間を過ごすことがとても大切。子供たちはお年寄りたちがいろいろな知恵を持っていることを知ることで尊敬の念を持つことになるし、お年寄りたちには教えることで自信と元気、生きがいを培うことになる。これからもこの取り組みで島を活性化させたい」と話した。

 「アマイウムクトゥ」とは、池間島の言葉で「生きる知恵や生きる思想」を意味する。先人たちの知恵や経験は島にとって大切な「宝」であり「財産」。池間島では、その価値を見直しながら、それを活用した「人」「島」「地域の活力」づくりが展開されている。


演舞披露に意欲/久松中伝統の獅子舞
伊良部大橋開通式に出演へ/先輩から熱のこもった指導


伊良部大橋開通式での演舞披露に向け、練習に取り組む久松中の3年生男子と指導する久松青年会のメンバーら=久松中体育館

伊良部大橋開通式での演舞披露に向け、練習に取り組む久松中の3年生男子と指導する久松青年会のメンバーら=久松中体育館

 「もっと声を出して、動きを大きく」-。昨年11~12月にかけて久松中学校の体育館では、獅子舞の練習に取り組む3年生の男子生徒23人に久松青年会のメンバーが熱い指導を展開した。

 同中学校の獅子舞は、昨年11月に開催された宮古地区中学校総合文化祭で獅子や獅子を動かす「ターサー」のほか、三線、かね、太鼓、ほら貝などの演奏をすべて生徒たちが担当していることが高く評価され、同12月に浦添市で開催された第14回全国中学校総合文化祭沖縄大会に宮古地区代表として参加し、好評を博した。

 また、今年1月31日には、伊良部大橋の開通式で獅子舞を披露することが決まり、練習にも熱が入っている。

 三線と歌を担当する譜久島雄太君は「昔ながらの伝統を受け継いできた久松中の獅子舞をしっかり継承して、1月の伊良部大橋の開通式では迫力の演舞を披露したい」と意気込みを示した。

 後輩たちを指導する同青年会の与那覇卓会長は「久松中の獅子舞の特徴は激しい動き。伊良部大橋の開通式では、見る者に感動を与えるような迫力の演舞を後輩たちには期待している」と話した。

 久松中学校では、毎年のハーリーで獅子舞を披露してきた。その際には、卒業生たちが在校生に獅子の動きや「ターサー」の身のこなしについて手取り足取り指導してきた。

 この伝統を受け継いできた久松中の獅子舞は、伊良部大橋開通という宮古島の歴史的な日にその雄姿を躍動させる。

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