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2015年1月24日(土) 8:55

「オール沖縄に亀裂」(行雲流水)

 政治論争で主導権をとれるかどうかの最大のイベントが選挙であろう。有権者の心に何の抵抗もなく受け入れやすい言葉を使うことで選挙に勝てる場合がある。政治論争の大衆化だ。昨年暮れの沖縄における国政選挙と知事選挙がそうだと思える


▼普天間基地の辺野古移設に関しての論争は20年近くも論議されてきた。政治論争としてはかなり難しい問題である。ここでは経緯を省くが普天間基地の辺野古移設問題は二転三転していまだ収拾がつかない。問題があまりにも大衆化してしまったからだと考えられる


▼原因は政治家にある。国政レベルでは普天間基地の辺野古移設は既定の範疇(はんちゅう)であるが県内の反自民・反政府の政治家たちは「新しい基地はつくらさない」を標榜(ひょうぼう)して昨年の国政選挙と知事選挙に挑んだ。基地=悪の思想が定着している沖縄の大衆にとって「新しい基地」は反射的に否定できる言葉だ


▼「新しい」という言葉には重要な意味が含まれているが、そのことは論議の対象にならず基地の何を焦点にするべきかを問う必要もなく無条件に基地はいらないの答えだけがズームアップされ、選挙の結果は周知のとおりだ


▼総選挙と知事選の結果をふまえて沖縄県軍用地・基地問題協議会の総会が1月19日に開かれた。昨年12月に知事に就任したばかりの翁長雄志氏が会長を務め進行役を兼ねた総会だ


▼選挙で選ばれたそれぞれの地域の代表者の集まりだ。そこで宜野湾市の佐喜真淳市長と名護市の稲嶺進市長が激しく対立する模様を新聞が報じている。普天間と辺野古の熾烈(しれつ)な戦いだ。「オール沖縄」の亀裂を目の当たりにする場面である。