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行雲流水
2015年2月17日(火)8:55

「関東南秀同窓会」

 戦中・戦後、沖縄は激動の中にあった。過酷な戦争による惨禍があり、終戦前後には食糧難の時代があった。度重なる台風災害もあった。アメリカの統治下の時代には本土に渡るのにパスポートを要した。本土における沖縄に対する認知度はまだ低かった。そうした中で、高校を卒業後、進取の精神を持って多くの人が進学や就職のため本土に渡った。おしなべて生活は厳しかったが、高い志を持って、それぞれの人生を築きあげた

▼その間、生活感覚の違いもあって、カルチャー・ショックもあったのではないか。また、日本社会の風潮そのものも激変、「もはや戦後ではない」と言われて競争の激しい産業社会へと時代は突入していく

▼そのような時に、故郷と母校への思いを共有する皆さんによって「関東南秀同窓会」が結成され、今年は創立年を迎える。会は毎年、総会をもって親睦を図り、会報『絆』を発行して会員の相互理解を深めている

▼沖縄現地と呼応して、「沖縄問題」に関する発言や行動があった。何よりも、会員が各地でよき市民であることが、沖縄の認知度を高めた功績は大きい。母校の生徒たちがスポーツ競技等に遠征するときには、支援を行い、応援に駆けつけていることもありがたい

▼サケは太平洋の荒波にもまれて成長し、かすかな嗅覚に導かれて生まれた川に帰ってくる。ヒトは想像力に導かれて故郷と自らの来し方を思い、根源的な心の安定を得るのかもしれない

▼ともあれ、関東南秀同窓会は、優れて郷土愛のシンボルである。

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