2015年2月28日(土) 8:55

良い親子関係をつくるのは

良い親子関係をつくるのは、親子間のコミュニケーションである

沖縄国際大学名誉教授 福里盛雄


1 親のことば、子供の成長の栄養剤です


 子供は親のことば一つで良くもなり、悪くもなる。親が「お前は何もできない愚かな子だ」と言い続けていたら、親のことば通り、何もできない意欲のない愚かな子になる傾向がある。子供は、どのような親に育てられたか、どのような育て方をされたかによって、人格が違ってきます。


 狼に育てられた狼少年のように、人間として生まれてきても、狼親に育てられたら、狼の生活習慣を身につけていきますから、その歩き方も、鳴き声も狼に似てきます。その意味では、子を育てる親の子に対する影響力は、重大だと言わなければなりません。ところが、子ができると誰でも親になる。親になることと、親であり続けることとは違います。親であり続けるとは、子供との良い関係をつくることです。
 このように、親の生活習慣は子に対して強く影響します。親の生活の中で最も子に影響を与えるのは、親子のコミュニケーションです。では、親が子供に思いやりの心、積極的行動力、責任感と協調性、忍耐力と自制心を教え育てるために、親子間のコミュニケーションは、どのようになされるべきでしょうか。


2 親子の効果的コミュニケーション


 親子間のコミュニケーションについて、アメリカの心理学者トマス・ゴートン博士は、「親業」という著書の中で、次のように述べています。
 ①子が親に何か話したいと思っている場合、この場合は、能動的聞き方。この場合は子が問題を抱えているので、子が問題所有者であると言います。この場合の親は、能動的聞き方をする。能動的聞き方とは、子の言わんとする気持ちをくんで返す聞き方です。
 その例を示しましょう。
 能動的な聞き方の例
 子が「3」のついた通知表をもらってうれしそうに「お母さん、3をもらったよ」と学校から帰ってきた場合、親は初めて「3」をもらってうれしそうだねぇ、と聞き返します。子は自分の気持ちを理解されたと感じ、子「次は4、5をとるさ」。親「やる気が出てきたようだねぇ」。子「やればできるよ、お母さん」と会話は続きます。
 ②親がしようとしていることが、子の行為によって邪魔された場合は、わたしメッセージ
 わたしメッセージの例
 親は疲れていてひと休みしたいと思っている。ところが、子が大きい音を出してテレビを見ている。父親「私は疲れていてひと休みしたいけれど、あなたのテレビの音が大きくて休めないよ」と言う。そうすると子は、別の良い方法を考えるようになる。
 ③親子に欲求の対立が生じた場合。勝負なし法で解決する
 子が1万円するおもちゃを買いたいと言う。親は、お金のありがたさを教えるために買うのに反対である。子がお父さんの車を磨くたびに1000円ずつあげる。
 また、いろいろ提案して良い方法を話し合いによって選択し実行する。子の創造力と協調性、責任感を培うことになる。
 ④価値観の対立した場合は、親は良いコンサルタントの役目を果たす。あるいは親は、自分の価値に基づいた生活の模範を示す。世の親は子を自分の分身であっても、各人の意見と価値観を持った人格者であることを認知しましょう。