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社会・全般
2015年5月7日(木)9:00

陸自配備に賛否の声

500人規模表面化で/困惑の色見せる市民も

 宮古島に陸上自衛隊の警備部隊を配備する防衛省の方針を受け、地元市民の間では賛否の声が広がっている。賛成派は「人口増による経済振興、災害発生時の緊急支援ができる」などと歓迎、反対派は「自衛隊は軍隊のようなもの。周辺国を刺激するので配備すべきではない」と憤る。中には賛否以前に困惑の色を隠せない市民もいた。今月中旬には左藤章防衛副大臣が宮古入りして市に理解を求める。陸自配備計画は、現実問題として動き始める。

 南西諸島において防衛力の強化を狙う宮古島への陸自配備は、2013年に閣議決定した中期防衛力整備計画(中期防)に基づく。

 既に奄美大島への陸自配備は地元の了解を得て15年度予算に用地取得費32億円を計上。八重山の与那国島でも沿岸監視部隊約150人を配置する方向で準備が進められている。

 宮古島への配備が計画されている陸自の規模は、隊員が約500人を想定。地対空、地対艦ミサイルの配備も検討されている。

 日本共産党宮古郡委員会の調べで、配備候補地は宮古空港東側、県道243号線西側周辺など計8カ所が推定されている。

 防衛省は、用地取得費を来年度予算の概算要求に計上したい考えだ。

 これらの防衛省方針を受け、自衛隊配備促進協議会の野津武彦会長は「要請している側としては早めに配備してほしい」と話す。その上で、人口増による地域経済の活性化、台風など災害発生時における緊急支援体制の拡充、自衛隊ヘリを使用する急患搬送など陸自配備に伴う利点を挙げた。

 一方、平和運動センター宮古島の下地朝夫議長は反対の立場を強調。「基本的には反対で、(配備を)阻止する方向で進めたい」とする私見を述べ、近日開くセンターの幹事会で組織の方針を決める考えを示した。

 宮古島への自衛隊配備の動きは過去に何度も取り上げられているが、部隊規模などここまで具体的に示されるのは初めて。左藤防衛副大臣の来島を機に、賛否を巡る動きが加速していくことは必至の情勢だ。

伊良部大橋は配備のため?

 公務員女性(45)=伊良部 宮古に自衛隊が増えることは賛成できないし、反対。伊良部大橋が完成したことはうれしいが、自衛隊が伊良部に配備されることになれば、そのためのものだったのかと思ってしまう。伊良部島はこれからも平和で静かな島であってほしい。

尖閣問題心配だが増強の必要性疑問

 会社員男性(51)=平良 自衛隊が500人も増えることに対する実感がまだないし、尖閣の問題などマスコミでいろいろ報道もあるので心配な面はあるが、だからといって日々の生活の中で自衛隊が増強される必要性を感じることもない。配備はもう決定しているということなので平和を維持するためのものであってほしい。

賛否どちらとも言えない

 主婦女性(40歳代)=平良 今の気持ちはどちらとも言えないというのが正直なところ。どんなことでもそうだと思うが、メリットとデメリットの両面がある。平和であってほしいというのが一番。親戚に自衛隊員がいるが、自衛隊の配備は抑止力になると思う反面、何か起きた時には標的になる可能性がある。軽々には賛成とも反対とも言えないと思う。

地域振興とのリンク次第

 農業男性(40歳代)=伊良部 自衛隊の配備計画については、地域振興とリンクすれば賛成もやぶさかでない。国が宮古振興基金のような予算措置を講じる姿勢を見せた場合は、自衛隊の受け入れは考えたい。

自衛隊配備では問題解決しない

 会社員男性(44)=平良 中国や北朝鮮の脅威に対応する必要があると言うが、相手から見れば自衛隊は軍隊と同じ。配備することで相手を刺激する結果になると思うので、地域の平和や問題解決につながるとは思えない。逆に万が一、有事に発展した場合には攻撃対象となる可能性がある。現在の世界情勢で、国防を強化しないと日本が攻撃、侵略される可能性があるとは考えられない。関係悪化のリスクを高める自衛隊増強には反対。


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