2015年7月1日(水) 8:55

ことばは、その人の内部的意思の表現手段としては、最も適切である

沖縄国際大学名誉教授 福里盛雄


1 人のことばは、関係を創造する力と破壊する力を持っている。


 人は社会動物だと言われています。その意味は、多くの人と関係をつくり、その関係の中で、幸せに生きていくことができるからです。人が他人と関係の中で生きていくためには、他人と円満な状態でなければなりません。他人との円滑な状態をつくり出すためには、意思の疎通を促進することばの交流が必要であります。自分の欲求を明らかにするように、人はそのことばの交流によって人間関係をつくり明確に相手に伝達し、それに対応し相手の協力を得て社会生活を営んで生きていきます。


 他の動物も仲間同士のコミュニケーションの手段として何らかの意思伝達の方法を持っていますが、人間が発することばのような、明確な意思伝達の手段としての、ことばは持ってはいません。
 私たちの創造主は、ことばで万物を創造されました。創造主のかたちに創造された、私たち人間のことばも、ものごとの創造力を持っています。
 その反面においてことばは、破壊する力も持っています。長い時間を費やして築きあげてきた関係も、たった一つのことばによって破壊され、失わせます。


2 ことばが良い効果を発揮するために。


 ことばは、その使い方によって、善悪の二つの作用があることが、理解できました。
 他人との良い関係を創造し、他人を慰め希望を燃やさせることばだけを口にしたいものです。そのためには、自分の舌を正しく管理しなければなりません。舌は、体の小さい器官ですが、舌の働きのいかんによって、その人の品格が分かるような気がします。ことばは、その人の内部の状態の表現だからです。
 私たちが社会生活で、失敗しがちなのは、ことばの失敗です。聖書は「私たちはみな、多くの点で失敗するものです。もし、ことばの失敗をしない人がいたら、その人は、からだ全体もりっぱに制御できる完全な人です」と言っています。
 船のカジも船体と比較すると、大変小さいものですが、そのカジの操作によって自由自在に船全体を動かし、目的の港に安全に到達させることができます。
 このように、私たちの舌も、その働きによって、他人との平安に満ちた生活を築くことが可能となります。
 人のことばは、他人に大きな刺激を与える力があります。第二次大戦の際、600万人有余のユダヤ系の人間が虐殺されたのもドイツの若者たちの心にユダヤ系住民に対する憎しみの心を植えつけたのも、ヒトラーのことばの働きによるものでした。
 人が幼い頃、受けた他人の軽蔑的ことばはその子が大人になっても、その子の胸から消えることなく、その子の成長の大きな障害となる場合もあります。特に小学の担任の先生のその子に対する評価のことばは、その子の将来を左右する力があります。また、周囲の人々のその子に対する評価も同様です。
 以上述べてきたように、私たちの何気なく、口に出すことばが、不思議な癒やしの働きをしたり、人を死に追いやるような失望の働きの原動ともなることが理解できました。私たちは他人に生きる希望を与える知恵に満ちたことばを蓄えておきたいものです。「優しいことばは、ハチの巣の蜜、骨を健やかにする」ということばを胸の奥に刻みこんでおきたいものです。


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