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行雲流水
2015年7月9日(木)8:55

「自衛隊配備」(行雲流水)

 自衛隊配備をめぐる論戦がかまびすしい。国会や県議会での日米安全保障体制をめぐる論争とは異なる話のはずだが、何もかも「ごちゃまぜ」の観がある。「空中戦」を見ているようだ。地に足のついた考察をしてほしい。市議会では、別次元の政治的掛け引きをしているようにさえ見えた

▼もう少し主体的で視野の広い発想があってもよいのでは。たとえば、国際緊急援助隊としての役割に関する質疑などだ。外交と安全保障政策は国の専管事項だとはいえ、市議会は市議会なりに確認や建議ができるはずだ

▼自衛隊の任務は、侵略からの防衛だけではない。津波や地震など大規模災害への対処もある。災害対応を先島諸島の安全・安心に限定する必要はないはずだ。東南アジアで発生する自然災害に対処する国際緊急援助隊の役割を付加する発想があってもいい

▼地政学的には、東南アジアは目と鼻の先だ。大型輸送機の離発着が可能な下地島空港もある。伊良部大橋もかかっている。一刻を争う緊急援助隊がすばやく動ける条件は整っている

▼食料品、医薬品、テントや発電機などの保管倉庫、1日10万本のペットボトル水をつくることが可能な造水施設の建設など、確認・調整すべき事項は多岐にわたってあるはずだ

▼もちろん、大型地震が頻発している中国四川省も支援対象だ。人道支援の積み重ねで善隣友好の輪を広げることができれば幸いだ。さらに軍事大国中国が民生重視に目覚める端緒になれば一挙両得だ。選良たちの冷静で建設的な対応に期待したい。

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