宮古島市は、平良港の長期構想計画を見直し新たな計画を策定する。そのためのアンケート調査に協力をお願いしたいと、９月１６日までの回答期限付きで調査票を送ってきた

▼従来の長期構想計画を見直す理由については何の説明もないが調査票と添付された説明資料から推し量ると見直しの趣旨は、クルーズ船専用施設の建設にあることが分かった。平良港長期構想計画の中にクルーズ船の乗客や船員のための恒久的なビルを建てたいということだ

▼観光客を誘致するための恒久的な施設を港湾内に建設することの是非を問うアンケートではなく、観光客を呼び込むために必要なクルーズ船専用の施設を港湾内のどこに造ればよいと思うか、といった調査である

▼要するにクルーズ船が平良港に入港することを前提としてのアンケート調査である。施設建設は今年２月に設立したという「宮古島市クルーズ客船誘致連絡協議会」で論議された結果であることは言うまでもなかろうが、いまさら市民に港内のどこがいいと思うか、という問いかけにはいささか呆れた

▼添付された資料に昨年までのクルーズ船寄港実績が那覇、石垣、平良の３港についてグラフ化されて記載されている。それによると昨年の実績は那覇８０回、石垣７３回、平良３回だ。このことが施設建設の具体的理由なのだろうか。クルーズ船が那覇や石垣に多く寄港するには港湾施設の他にそれなりの理由があるはずだ

▼観光客は何を求めているのか、特に焦点となっている中華系の観光客が沖縄本島に行く目的はなんであるか詳しい調査を踏まえてのクルーズ船誘致であり、施設の建設であってほしいものだ。