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行雲流水
2015年9月29日(火)9:01

【行雲流水】「星空」

 宮古島市誕生10周年記念行事として、世界的なプラネタリウム・クリエーター大平貴之氏の講演とプラネタリウムの観察会が9月25日、市中央公民館で開催され、多くの市民が投影される星空の美しさに驚嘆した

▼大平氏は小学生のころから、プラネタリウムを独自で製作、大学ではさまざまな工学的技術を身につけ、卒業後も創意工夫を重ね、スーパープラネタリウム「メガスター」を開発する。氏の「人間は、可能は証明できるが不可能は証明できない」という信念で、可能性を追求してきた、その生き方が聴衆の感動を呼んだ

▼最新のメガスターには従来のプラネタリウムの100倍を超える1千万個の星を投影できる。ところが、その1万倍の1千億の星が私たちが属する天の川銀河には存在する。そのような銀河が宇宙には数千億もあり、それぞれが相対的距離を広げている(ビッグバン宇宙論)

▼メガスターによる投影は、大ホールの天井や壁全体に展開された。星の集団である天の川や、そこを飛ぶ白鳥座等の星座、さらには遠くでほのめくアンドロメダ銀河が投影された。また、それが時間と空間をダイナミックにスライドさせるので、宇宙全体を旅する疑似体験ができた

▼長い進化の結果、宇宙がよくできすぎていると感じる。現在の宇宙も他の幾多の宇宙の進化の結果存在するのかもしれないと、氏は質問に答えた

▼ともあれ、宇宙は自らを意識する進化をヒトにおいて実現した。美しい星空も、あくなき想像力も、その宇宙からの、人間へのすてきなプレゼントである。

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