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行雲流水
2015年10月20日(火)9:01

【行雲流水】「市民文化祭」

 ヒトの、他の動物と異なる点は、生きる内容として文化をもっていることを本質とする。ラスコーの洞窟壁画にみられるように、先史時代から人は絵を描いている。また、遠く、ネアンデルタール人は死者に花を手向けている

▼「風土・魂・誇る~創造する市民の文化」をテーマに開催中の「第10回宮古島市民総合文化祭」には連日大勢の市民が訪れ、多彩な作品を満喫している

▼市中央公民館の大ホールでは、盆栽、写真、華(花)、書の作品が展示されているが、各作品はそれぞれのあり方で、みんな美しい。その美しさの根拠は、美しさを意思する人がいるからである

▼美術部会の特別企画展「激動の昭和に生きた宮古『二季会』の不屈の画家たち~下地明増、本村恵清、池村恒仁~」は感動を呼ぶ。展示作品に加えて百数十点に及ぶ作品の画像による紹介で、三氏の偉大さがあらためて示される。書道部会でも「宮古の書の先人たち」展があり、織物部会では、宮古上布の創始者稲石の紹介が詳しい。「水を飲むときは、井戸を掘った人を忘れない」(中国のことわざ)と言えり

▼下地明増氏はサトウキビを何度も描いているが、それはその都度「新しい発見」があるからだと語っていた。文芸部会の作品でも、森羅万象や心の動き、表現の方法に発見があるから、創造の世界は延々と続くのだろうか。ここでは、特に知人たちと、その作品を通して出会える楽しみがある

▼文化祭の作品にみられる高見を目指す「統一性」(共通性)と表現の「多様性」は生命の特性そのものである。

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