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2015年11月3日(火) 9:01

【行雲流水】「宇宙を楽しむ」

 モーツァルトの音楽を楽しむように、ピカソの絵に感動するように、天才科学者たちの示す、秩序と調和に彩られた自然(宇宙)の姿にヒトは感慨を覚える


▼以前、私たちは夜空にきらめく星の数の多さに圧倒されていたが、その星々は銀河の一つ「天の川銀河」に属するもので、そのような銀河が宇宙には数千億もあるとされる


▼ハッブル望遠鏡からは宇宙空間に浮かんだ多くの銀河の映像が送られてくる。これらの銀河は、それぞれの距離に比例した速さで遠ざかっている。いわゆる「ビッグバン」宇宙論で、高校生たちは、その根拠を、教科で学習している


▼小さい方向では、人類は古代から物質の究極的実態の存在を予想し、原子概念に到達した。しかし、それらは究極的なものではなく、追及は原子から素粒子へ、さらにはクォークと、より小さい階層へ進んでいる。そして、より下層にいくほど相互転化、生成・消滅の激しいことがわかっている


▼梶田隆章氏のノーベル賞受賞の理由は「ニュートリノが質量をもつことを示すニュートリノ振動の発見」である。素粒子論の標準理論がニュートリノの質量ゼロを前提としていたので、新たな物理法則の構築が進み、宇宙理解が深まると期待されている


▼今日の物理学では、真空は粒子(物質)と反粒子(反物質)を対で生み出す母台である。このことひとつとってみても自然は奥が深い。その中で知の地平を広げていく人間の存在はすごい。「宇宙法則がつくり出した心があるから人は宇宙を知ろうとする」(ホーキング)。