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【特集】新年号
2016年1月1日(金)9:13

県知事 新春インタビュー

離島振興策を具体的に推進/沖縄県知事 翁長雄志氏

 

沖縄県知事 翁長雄志氏

沖縄県知事 翁長雄志氏

 -昨年を振り返っての所感は

 基地問題が相当なウエートを占めており、県民の関心もそれが大きかったと思う。経済も大変重要でありアジアのダイナミズムを取り入れた政策の中で、アジア経済戦略構想はしっかりとやってきた。全体的に失業率と有効求人倍率の改善なども引き続き良い方向にある。県民生活の充実として教育、福祉、医療なども三役会議で一つひとつ各部局と話し合いながらやってきた。今日までの実績を踏まえた職員の頑張りにより、大過なく良い形にできたと総括している。全力投球で一生懸命、自分なりに頑張ってきたので、後は一年一年県民がチェックしてくれると思う。

 -今年で特に実現したい政策メニューは

 昨年後半から法廷闘争に入ったが、基地問題は継続性が大変重要。あらゆる手法を尽くして新基地を造らせないように、物事のけじめを付けていきたい。21世紀ビジョンも今年は中間点。しっかり検証して反省や成果の中から、後半のビジョンも全ての分野にわたって各部局で議論し良い方向に持っていきたい。重要な雇用問題や子どもの貧困問題なども今年強く打ち出して、一つひとつの施策が実るように頑張りたい。  
 -来年度沖縄振興予算が3350億円となり、昨年度予算に10億円上乗せされたことについては
 内閣府の沖縄担当部局が全力を挙げて、概算要求の実現に向けて心を一つにし、頑張って来られたと承知している。昨年度よりも10億円上乗せされたのは大変評価をして、担当部局の苦労に対し敬意を表したい。政府もいろいろ思いもあっただろうが、こういう形で予算をしっかり付けていただいたので、沖縄の振興に頑張っていきたい。

 -離島振興については

 下地島空港の利活用は提案事業の中から、航空パイロットの養成やマルチコプター操縦技術者の育成、プライベートジェット機の受け入れ施設の整備、富裕層向けの宿泊施設の整備ーの四つの候補事業案に絞り、今最終段階に来ている。複数で絡み合うのか、一つでやっていくのかなど議論をしている。県立宮古広域公園は、すでに前浜に建設地を決定。公園は宮古の中で重要な位置を占めていくと思うので、しっかり対応していきたい。
 離島の交通コストや水道料など生活コストの低減にも取り組んでいる。交通コストでは船の運賃をJR並み、航空運賃を新幹線並みに低減している。今年早々には高校のない離島の子供たちを対象にした児童生徒支援センターが完成する。本島での勉学やクラブ活動などに安心して取り組めればと思う。

 -待機児童の解消、子どもの貧困の改善に向けた取り組みは

 県内で約2万人の待機児童がおり、3年前に基金を創設し黄金っ子応援プラン(県子ども・子育て支援事業支援計画)を市町村とタイアップして実施している。今年度は約6000人の待機児童解消の目標に近づいている。今後、毎年6000人ずつ解消するように努めたい。今年度から子どもの貧困問題に担当部局で取り組んで議論を重ね、分析や調査を行っており、3月までには方向性を決めて来年度からスタートさせたい。  -基地問題解決は国益にも資すると従来から主張しているが、県外の国民に「沖縄問題」とも言われる基地問題をどう捉えてほしいか、また今年はどんなことを訴えたいか
 沖縄問題はいつもその時々で全国的な話題や課題、問題になるが、ほとんど一過性に終わる。その後を沖縄県が背負っていく形。本当の意味での実状を知らない。沖縄への基地の集中などに、全く理解がない中で表面的なところから議論をする。沖縄や日本のあり方、日米安保体制の状況などの基本的な認識を日本全体、県民全体で理解した上で議論をし、私の発言も吟味してほしいというような一年であった。一定程度は理解をいただいた状況にあり、改めて沖縄の基地問題を訴えていく1年にしたい。

 -埋め立て承認の「撤回」、辺野古移設の是非を問う「県民投票」は考えているか

 「撤回」については、今は代執行裁判の入口に入っており、国と県の係争処理委員会もある。こういったことを見ながら判断したい。「県民投票」は、一昨年のいろいろな選挙で全て民意はしっかり出ているので、民意を問うようなことは、今は考えていない。

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