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行雲流水
2016年1月9日(土)9:01

【行雲流水】「成人式」

 平良の言葉に「シィーニン」と「ニシャイ」というのがある。どちらも若い男性を言い表す言葉で同じような意味合いで使われたりする。しかし、それぞれの語感からするとニュアンスが違うことから古くは使い分けられていたのではないかと思われる

▼ニシャイは広い意味で独身の男性若者をさし、シィーニンは一人前と邑(むら)社会の中で認められた若い男性を称する言葉ではなかったか。一人前とは、社会での役割と責任を自覚しその属する社会で相応の働きを期待される成人のことである

▼ひところまで平良では13歳の年祝いがあって、通過儀礼(イニシエーション)のひとつであったはずだが今ではすっかり忘れられている。13歳ではまだ一人前とは言えないが大人の仲間入りの手前で邑社会の構成員(ニシャイ)としていろいろな行事に参加することも許されたのではないか

▼一人前の成人として認められる年齢がどうであったかは定かでないが年齢とは関係なく婚姻や家督相続、あるいは邑行事の中心的役割を担うことで社会的な地位を築いた者であればシィーニン・成人として社会が認めたであろう

▼1月5日宮古島市で成人式が執り行われた。全国的に行政が主催する式典である。1948年に施行された祝日法に定められた1月15日の成人の日に基づく行事であったが時代の変遷で成人の日も1月第2月曜日となっている

▼宮古島市の成人式典で祝福を受けた成人650人の中には学生も多々いるが社会の組織の中で仕事に励んでいる人たちもいる。いずれにしても現代社会を担う若者たちだ。シィーニン・一人前の社会人としてのこれからを期待したい。

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