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政治・行政
2016年1月30日(土)9:04

定数削減の論議が先/定数削減の論議が先

まずは身を切る改革を

 

 

県内11市における議員定数と人口

県内11市における議員定数と人口

 宮古島市議会(棚原芳樹議長)は26日の全員協議会で、議員報酬を現行月額34万2000円から5万6000円アップの39万8000円にするよう、市に求めていくことで合意した。また、年額6万円(月額5000円)の政務活動費を4月から30万円(月額2万5000円)に引き上げる予算要求も行っている。報酬増額については、市長が任命する公共的団体の代表で構成する「市特別職報酬等審議会」の答申を踏まえて判断されるが、議員定数削減という議員自らが身を切る改革を進めなければ、市民の理解が得られるとは思えない。

 ■議員定数、議論されず

 議会を検証するとともに新たな議会の役割や運営について調査研究する市議会改革調査特別委員会は2014年6月に設置された。
 委員会では議員定数も議論の対象だが、これまでに一度も議論されていないのが実情だ。
 本紙が13年5月に市議全員を対象にしたアンケートで現在の市議会議員定数(26人)を削減することに「反対」の議員は25人中、17人(68%)、「賛成」はわずか2人(8%)、「どちらとも言えない」が6人(24%)だった。
 これに対し、多数の市民は「26人は多すぎる」とし、議員と市民との間で「ずれ」が生じていることが浮き彫りになった。

 ■厳しい市の財政状況

 議員が求める議員報酬額が認められれば、市は約4000万円の予算を新たに計上しなければならない。
 市の自主財源は全体の2割に満たず、8割以上を国や県に頼らざるを得ない厳しい財政状況が続いている。
 さらには今年度で国からの普通交付税の算定替えによる満額査定(合併による特例)が終了。新年度からは約3億2000万円の減が見込まれている。
 交付税は、20年度までの5年間で段階的に引き下げられ、市では総額約30億円が削減されると試算している。
 合併で膨れ上がった市職員は定員適性化計画に基づき、年々削減が進んでいる。
 このような状況を踏まえての今回の報酬アップ要求。市民からは「流れに逆らっているとしか思えない」「市民目線からかけ離れている」との声が上がっている。

 ■年収は500万円以上

 26日の議員全員協議会では議員から、「今の報酬額では今後、議員になろうという人がいなくなってしまう」「議員活動を考えると現在の額ではやっていけない」などの声が上がった。
 月額34万2000円の報酬に加え、夏、冬年2回支給されるボーナスは100万円余。年収は約500万円以上だ。
 宮古の一般的サラリーマンに比べると、高額だといわざるを得ない。
 50代の男性は「議員報酬は、議員活動の対価として支払われるもので、生活給とは違う」と指摘。「そもそも議会が開会されている日数と比べてみても高すぎる」と話す。

 ■継続的論議のきっかけに

 宮古島市議会の議員報酬は、県内11市中では豊見城市議会、南城市議会に次ぎ3番目に低い。
 しかし、宮古島市議会の議員定数は、類似自治体といわれる石垣市や糸満市と比べると多くなっている。
 議員一人当たりの市民数は、11市中宮古島市が一番少ない。
 議員定数については、類似自治体との人口や面積、財政規模の比較だけで論じるべきではないが、現在の市議会議員定数が適正かというと、首をかしげる市民は多いはずだ。
 「議員が市民の立場で働いていない」「自分の立場を守るような動きをする議員が目立つ」などといった不満の裏返しや、議員定数適正化についての判断材料が不足していることも要因だろう。
 市民からは「議員報酬は減らしてでも議員の定数は守るべきだ」といった声や、逆に「報酬は増やして、議員定数を減らすべきだ」との指摘もある。
 「報酬は増やして、議員定数はそのままで」というのが、市議会の姿として市民には映るのだろう。
 議員報酬と議員定数は切っても切れない関係だ。「市民の声を議会に反映させるには、どれくらいの議員が必要なのか…」。継続的な論議のきっかけにしたい。


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