別れ惜しみ再会誓う/宮古島保養プロジェクト
福島からの家族帰路に
「うむい宮古島保養プロジェクト満月」(主催・同実行委員会)で7月26日から6泊7日の日程で宮古島に滞在していた福島県の家族11組のうち延泊する2家族を除く9家族31人が1日、帰路に着いた。宮古空港では解散式が行われ、宮古島の受け入れスタッフらとの別れを惜しむとともに、来年の再会を誓い合った。
原発事故の影響が今も残る福島の子供たちを親とともに放射線量の低い地域で一定期間過ごす保養のため宮古島へ招く同プロジェクトは今年で4回目。費用は市民グループ「うむい宮古島」が製作、販売した「笑顔カレンダー」の販売収益や個人、団体からの寄付などでまかなわれている。
福島からの家族たちは期間中、受け入れホームステイ先や民宿で過ごしながら、宮古島の美しい自然を満喫するとともに、地域住民との交流を深めてきた。
解散式では実行委員会の下地昌伸委員長が「(保養を)してあげている、してもらっているという関係ではなく、させてもらっているとお互いが思いやれば良いと思う。宮古で待っている人がいると思って来年もまた来てほしい」と呼び掛けた。
今回初めて同プロジェクトに家族4人で参加した野田克也さんは「宮古の素晴らしいところをいろいろと見させてもらい、気分も体もリフレッシュすることができた。本当にありがとう。来年もまた来たい」と受け入れへ謝意を述べた。
同じく家族4人で初参加の村上勝美さんは「子供たちと海がきれいな宮古に来ることができ幸せ。福島では普段、外に出ても土や石を触らせないようにしているが、宮古ではそういうことを気にせず過ごせたのが良かった。宮古での保養受け入れはありがたいの一言。地元の人との交流をさせてもらうなど普通の旅行とは違う体験もでき親としても良い思い出ができた」と感想を語った。
出発の時間が近づくと福島の家族と受け入れメンバーたちは、握手をしたり抱き合ったりして別れを惜しむとともに、「また来年」と再会を誓い合った。