「沖縄予算の満額確保を」/市町村会など
鶴保沖縄担当相に要請/下地市長 離島住民の定住支援も訴え
【那覇支社】就任後初めて沖縄県を訪問した鶴保庸介沖縄担当相は9日午後、那覇市内のホテルで、市町村会や広域市町村圏事務組合などの代表を務める市町村長や市町村議会議長ら9人と懇談会を開いた。
冒頭、鶴保氏は「沖縄のことに精通していないということは、誰よりも私自身が分かっている。ありとあらゆる機会を捉えて一生懸命勉強していきたい。国土交通省で政務官や副大臣として、インフラの整備や観光といったことは今まで努力してきた。水産など地方共通の問題についてしっかりやらせてもらう。皆さんと話し合っていく中で、それら全てを沖縄振興に役立てていきたい。私は振興策にタブーはないと思っている。ぜひとも皆さんの知恵を拝借したい」と語った。
市町村を代表して県市長会副会長の下地敏彦宮古島市長があいさつを述べた。
その中で、県内の基地問題や認可外保育所、不発弾問題、前期高齢者の低調な国保加入率による国保財政の赤字問題など、山積する喫緊の課題を指摘。さらに、従来の社会整備に加え、産業振興として物流・交通コストの低減、子育て支援や子どもの貧困対策、文化の振興、離島住民の定住支援など、さまざまな面で多様な施策が求められていると訴えた。
その上で、「(沖縄振興特別交付金など)来年度の内閣府沖縄関連予算については、大臣を中心に我々も関係機関と連携を図り努力していくので、満額確保に向け、ご尽力を願いたい」と要請した。
非公開の懇談会を終え、下地市長は「大臣が特にやりたい3項目として挙げたのは、市町村が困っている国保の問題を持ち帰って早急に関係各省と話し合いたいとした。インフラの整備では何がやりたいのか具体的な要望を出せば、自分たちも考えるとの話だった。離島住民の定住では医師の確保問題などで何ができるか、これから十分にやっていきたいとのことだった」と話した。
下地市長は懇談会で宮古市村会の要望書を提出した。要望では①平良港の漲水地区再編事業の推進(宮古島市)②宮古地区国営造成施設(農業用かんがい排水)応急対策事業の支援(同)③尖閣諸島周辺海域の取り締まり強化(同)④離島での産業廃棄物の処理(多良間村)⑤農業農村整備事業の推進(同)ーが盛り込まれている。