平良港長期構想、整備計画改訂へ
現状、課題で意見交わす/検討委と幹事会の合同会議
平良港長期構想検討委員会の第1回委員会と幹事会の合同会議が22日、平良港ターミナルビル大研修室で開かれた。港湾関係者や行政関係者、地元経済団体の代表者や学識経験者が委員として参加。平良港の長期構想と整備計画の改訂に向け、現状を確認するとともに課題などについて意見を交わした。
平良港の長期構想と港湾計画はおおむね10年ごとに改訂を行っていて、現在の構想と計画はいずれも8年前の2008年に改訂されていることから今回、次期改訂に向けて平良港長期構想検討委員会と幹事会を設置。今改訂では長期構想は「平成50年代前半」、港湾計画は「平成40年代前半」を目標年次としている。
第1回委員会・幹事会では事務局が平良港の現状や規定計画の実施状況などを説明。改訂を行う上で必要となる検討事項として、急増しているクルーズ船への対応や石油やガスなどの危険物取り扱い施設の今後、尖閣諸島国有化後の中国船による領海侵犯への対応といった国境警備への支援などを挙げた。
委員、幹事による意見交換では、大型船が接岸できるクルーズ船専用バースや旅客ターミナルなどの関連施設整備を求める意見や、小型船に配慮したバース整備の要望、先を見すえた取り組みと喫緊の課題への取り組みは分けて行うべきとの声などが挙がった。
琉球大学工学部准教授の原久夫委員は長期計画を考えた場合の課題として①クルーズ船の急増②国境警備への要望③市民生活の安全・安心の確保-の3点を挙げた上で、クルーズ船については長期的な予測を行い、複数のケースを考えておくべきと指摘する。
琉球大学観光産業科学部教授の下地芳郎委員は長期構想が「平成50年代前半」という情勢分析が難しい将来を想定する中で国境警備の必要性を強く打ち出すことに慎重な考えを示すとともに、防災、災害対策への取り組みの重要性を強調。クルーズ船については大型化だけでなく富裕層をターゲットとした小型クルーズも想定すべきと提案した。
合同会議では議事開始前に委員長と幹事長の選出が行われ、委員長に日本港湾協会の須野原豊理事長、幹事長に宮古島商工会議所の下地義治会頭が就任した。
委員会と幹事会は今後2017年12月ごろまでに各3回開催し、平良港の長期構想と港湾計画の改訂案を取りまとめる予定となっている。