新市長が誕生した。４人の立候補者の中から、〝宮古島丸〟の舵取りを負託された船長だ。心機一転、惰性を排して職員の意識改革と透明な市政運営にまい進してもらいたい

▼「予定調和」という言葉がある。小説や政治・経済界でよく耳にする。読者・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が進行し、結果も予定通りであるという意味で使われている▼身近な言葉としては、しがらみ、義理と人情、規律などから連想すればわかりやすい。経済学では、消費者は安くて良いものを買うという選択行動などをさす

▼もともとは、17世紀のドイツの数学者で哲学者でもあったライプニッツの提起した概念。「宇宙は神によってあらかじめ調和するように定められている」というものだった。ニュートンなどの科学法則探求心をかきたてたといわれる

▼他方、現代社会は予定調和説では説明できないとする連鎖調和説もある。物理学の「量子力学における波動方程式」を社会現象へ応用したもの。かすかな気づきと発火が次々と連鎖反応をおこして予想外の結果を生むという。ＡＫＢブームなどの解析に用いられた。英国のＥＵ離脱、米国のトランプ旋風などもその例であろうか

▼旧態依然とした発想や手法から脱却したいと望む若者が増えているようにみえる。今度の選挙を若い世代の投票行動を中心に分析する必要があるのでは。若い世代は経験が不足しているとはいえ、意欲や活力を秘めているはずだ。成長の芽は、「変化」にある。新旧世代の今後の対応に注目したい。