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行雲流水
2017年3月23日(木)9:02

【行雲流水】(瑕疵担保)

 東京都議会の百条委員会がもめている。東京都が東京ガス(株)から買った土地の売買契約に問題があるらしい。「瑕疵(かし)担保」をめぐる交渉過程が不明瞭だという


▼「瑕疵担保」とはむつかしそうな言葉だが、身近な例としては、家電製品に付いている保障期間を定めた品質保証書を思い出せばわかりやすい。商品に瑕疵(欠陥)があった場合には、その修復責任は、原則として売り手側にある(民法)

▼豊洲の土地売買契約では、東京ガスは売り渡した土地の土壌汚染除去責任について、76億円以上は出さないとされている。結果、東京都は汚染除去対策費860億円を負担することに。土地売買交渉が難航していた状況下で、この決定が適切だったかどうか、その責任が問われている

▼売り手の瑕疵担保責任を免除する特約を付けるかどうかで契約金額は異なる。瑕疵担保責任の取り扱いは、交渉当事者にとっては最も神経を使う条項の一つであろう

▼たとえば公共工事の場合は、受注業者に瑕疵担保責任を負わすのが一般的である。有力企業とのJV(ジョイント・ベンチャー)方式を組ます主な理由は、瑕疵担保能力を強化するためである。公共工事や公有財産に関する事案は、国民の税金の使途や財産の評価に関することだから法律や条例にもとづく公明正大な対処が求められている

▼東京の豊洲や大阪の森友学園をめぐる騒動を対岸の火事としてながめていないかどうか。透明な市政運営に資するための他山の石として研さんを積むことを忘れてはなるまい。

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