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2017年4月11日(火) 9:01

【行雲流水】(美しきもの)

 きょうは旧暦の15日。晴れたらきれいな満月が見られる。また、庭の草花も満開している。月も草花も感覚的に美しいだけではない。太陽の光と、地球の周りを回転する月の位置関係で月が満ち欠けする様子を想像で描くことで感じられる美しさがあり、小さい草花が、生命体であることの驚きが喚起する美しさもある


▼学生時代、「特殊相対性理論」を受講したときのノートが残っている。その最初のページにはアインシュタインの言葉が書かれている。「私たちの理論の構成によってこの実在を把握できるという信念と、世界{宇宙}が内面的調和を持っているという信念が、科学的創造の動機である」。詩人のキーツは書く「美は真、真は美である」


▼辻邦生は文学の根拠を求めて彷徨(ほうこう)しているとき、ギリシャのパルテノン神殿の美しさに圧倒された瞬間「美の秩序をつくりあげること」が芸術の目的であると確認する


▼科学者たちは、一般に、少ない原理で多くの現象を説明できるとき、その理論は美しいと考える。たとえばアインシュタインの相対性理論やニュートンの運動の法則、ダーウィンの進化論などである


▼天の川銀河には約2千億個の星があるが、人体の細胞の数はその300倍の60兆個で、一つひとつが巧妙に連携し、組織や器官の相互作用で生命の営みを紡ぎだしている。これは、あらゆる意味で美しい


▼「ただ1輪の薔薇それはすべての薔薇/そしてまたひとつの薔薇/此の花なしにどうして語れよう/私たちの希望であったものを」(リルケ)