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日曜訪問
2017年6月4日(日)9:01

【日曜訪問】長濱隆さん(64歳)元高校音楽教諭/長濱靖さん(57歳)北中学校音楽教諭

吹奏楽の魅力伝え30年余


母校の吹奏楽コンサートを見守り楽しんだ長濱隆(左)・靖兄弟

母校の吹奏楽コンサートを見守り楽しんだ長濱隆(左)・靖兄弟

長濱隆、靖の兄弟は共に音楽教諭。音楽を通じ生徒の情操育成に長年努める。中でも吹奏楽の指導に尽力。兄の隆さんは宮古高校吹奏楽部を県内トップレベルに高め、それを追い弟の靖さんは中学校と二人三脚で吹奏楽の裾野を広げてきた。30年以上に及んだ情熱の原点は、共に「生の音楽の素晴らしさを生徒たちに伝えたい」だった。「一を聞いて二返す生徒たちの感性は素晴らしい。それが指導する側の向上にも」と靖さん。

隆さんは高校を定年退職後も臨任で教壇に立ち、弟の靖さんは現役だ。その兄弟が音楽に魅了されたのは半世紀も前。戦後復興の象徴として俗に言う歓楽街イーザト(西里)が繁盛していた当時、その一角で後に平良市議会議長となる父親がクラブを経営していた。客の出入りは旺盛で、理由に店のバンド生演奏があった。「その店の上階が住宅で、喧騒の中で育ちました」と靖さん。店をのぞくとピアノやギター、ドラム、サクソフォンなどがあった。見よう見まねで鍵盤をなぞらえ、ギターを奏で、ドラムを叩いた。

勢い大阪芸大を目指すが、試験官に「聴音(聴いた音を楽譜に記す)はどのくらい?」と聞かれるも「聴音て何?という具合で、不合格を覚悟し、ならばと宮古では手に入らない楽譜集を買い眺めていました」。しかし神は見捨てず「眺めていた楽譜が偶然にも筆記試験で出題され、ほぼ満点。信じられなかった」と合格。

入学後はあらゆる演奏会に出向き一流の生の音に耳を傾け、音楽家に出会った。そして夏休みで帰省すると「楽譜を抱えてきて、これを書き写せと言う。コピー機の無い時代です。それで練習しました」とは靖さん。続けて「これまでをどうするんだ、と兄に諭され、兄の背を追いました」と兄の受けたカルチャーへの思いは弟に伝わる。そして2人の思いは次世代に。時は平成、少子化、学校統合と、吹奏楽の環境は厳しいが、「音楽の、吹奏楽の力を信じたい」と長濱兄弟だ。

長濱 隆(ながはま・たかし)平良字西里出身。宮古高校、大阪芸術大学卒。美江子夫人との間に1男2女。1952(昭和27)年8月12日生まれ。

長濱 靖(ながはま・やすし)平良字西里出身。宮古高校、尚美高等音楽院卒、和枝夫人との間に1男2女。1959(昭和34)年6月13日生まれ。

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