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行雲流水
2017年8月1日(火)9:01

【行雲流水】(『新宮古建設の歌』)

 『新宮古建設の歌』。一、遥かな海の彼方から/ひたひた寄せる潮の音は/夜明けの港漲水に/愛と信義を誓う歌。二、若い血潮は紅の/でいごの花が咲くように/胸にあふれて新生の/高い理想に躍るのだ。三、迷いの雲がかかったら/友よいっしょに払いよけ/真澄の月が清らかな/太平山を築くのだ。四、苦難の道は続いても/スクラム組んで僕たちは/意気高らかに建設の/希望に燃えて進むのだ。五、嵐に耐えた白百合の/香も高い新宮古/築く使命を負う友よ/愛と信義に強く立て


▼終戦直後、並木路子の歌う明るくさわやかな『リンゴの唄』は、人心を解放し、希望の風を運んできた。ここ宮古では、仲元銀太郎作詞、豊見山恵永作曲の『新宮古建設の歌』が、希望と理想を高く掲げて郡民を鼓舞し、広く歌われた

▼この歌の作詞の背景や動機は仲元氏の嫁仲元智枝さん編集による『仲元銀太郎エッセー集―流れ流され』に詳しい

▼戦後、「人権、自由、民主主義」の言葉は、わが胸に躍り狂った。新生への憧れだ」。「枯れているように見えたでいごが赤いツボミを5月の青空に向けた」。人間性再生の象徴である。たとえば、選挙における勝つための中傷は「迷いの雲」であり、「真澄の月」は自他の尊重である

▼「いろいろな方から愛されて、少年の心を失わなかった義父」と、智枝さん

▼軽快で美しい旋律と希望あふれる格調高い歌詞、銀太郎先生の魅力と相まって、『新宮古建設の歌』は愛唱された。今日も、どこかで、だれかが口ずさんでいる。

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