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2017年10月28日(土) 9:01

【行雲流水】(秋葉原でおきたこと)

 10月22日、衆議院議員選挙の投開票日。その前日、東京は雨であった。午後7時半、安倍総理は選挙戦の最後の演説を秋葉原で行った。総理にとって因縁の場所と言われる秋葉原である。雨の中に大勢の人々が集まっている様子が動画に映し出されている。画面を通して会場のざわめきが伝わる



▼演説は何事もなく終わったように見えた。しかし別の動画では聴衆の間でヤジとそれに対するやり返しが錯綜(さくそう)するなか日章旗とプラカードの群れが演説会場の様子を臨場感あふれるものにする。この様子では何かが起こるのではないかと思える雰囲気だ


▼案の定、テレビカメラの前に立ちふさがるプラカードが映し出された。明らかに取材妨害だと思えるがそれには訳があった。カメラは安倍批判新聞を掲げる集団に向いていたのである。テレビ報道のために特異ともいえる部分の切り取りをもくろんだカメラの向きである。聴衆はそれを阻止した


▼聴衆のテレビに対する姿勢は激しいものがあった。「おい、偏向報道をやめろ」のプラカードがいくつも画面に出てくる。事はそれだけではなかった。演説が終わっても人々は報道機関のカメラを取り囲んで非難する


▼報道に対する不信感が演説会場で如実に表れたものとみなすべきだろう。先の国会論議で既存のメディアは報道すべきものを伝えることなく政権批判を繰り返してきたことに対する一般国民の反駁ではないのか


▼秋葉原での首相演説をソーシャルメディアでライブとして見聞きできたことは情報の受け手として有意義であった。それとともに味方であるべき大衆から非難される既存メディアの今後を考えさせられた出来事でもあった。