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2017年11月2日(木) 9:01

【行雲流水】(観光の経済波及効果)

 先月の小欄で、今年度上半期の空路観光客34万人の消費支出総額を266億円と推計した。今回は、これが宮古経済へ及ぼす効果について考えてみたい


▼まずは雇用創出効果。沖縄県の「観光要覧」(平成27年版)によれば、観光消費額1億円は18人の雇用を生むという。観光消費額266億円を乗じると、約4800人の雇用創出になる。これは宮古島市の就業者総数約2万4000人の20%に相当し、想像以上の貢献度になりそうだ


▼次に付加価値効果。付加価値とは売上高から中間投入財(商業では商品仕入れ代、製造業や建築業では原材料、農業では餌や肥料などの副資材)を差し引いた額。いわゆるGDP(域内総生産)のことだ


▼前記「要覧」の付加価値誘発係数0・76(付加価値額/観光消費額)を用いて推計すると、今年度上半期の観光付加価値額は約200億円となる。宮古島市の域内総生産は年間約1540億円。観光付加価値額200億円は、その13%に相当する。通年では26%だ。これも大きな寄与率だといえる


▼最後に所得効果。付加価値額は賃金、減価償却、営業余剰、間接税等の源泉だ。付加価値額から減価償却費(たとえばホテル建設費の年賦償還額)を差し引いた額が純生産額である。ここでは、これを所得とみなすことにする


▼宮古島市の域内純生産は年間約1070億円。観光の純生産額は厳密には不明だが、域内純生産総額への寄与率は総生産の場合とほぼ同程度(26%)であろうと推測して差し支えないものと思われる。