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【特集】新年号
2018年1月1日(月)8:57

ヤギと一緒に島散策/下地・来間島

新体験プログラムが誕生/仲松さん案内「けんちゃんとヤギ散歩」


仲松さん(右)の案内でヤギ散歩を体験する観光客ら=竜宮展望台駐車場

仲松さん(右)の案内でヤギ散歩を体験する観光客ら=竜宮展望台駐車場

 来間島でヤギと散歩をしながら島を散策するという新しい体験プログラム「けんちゃんとヤギ散歩」が昨年からスタート。ユニークな取り組みに観光客の話題となっている。案内役は来間島出身の仲松政健さん。仲松さんはヤギと信頼関係を築けているからヤギと散歩ができると説明する。

 みんなから「けんちゃん」と呼ばれている仲松さん。ヤギと信頼関係を築けるようになったきっかけは以前、平良に住んでいた時、ヤギを飼っていた父親が入院した時。子ヤギ3匹が生まれたが2匹が母ヤギの乳を独占し、残る1匹が乳をもらえない状態になったため、仲松さんがその1匹を家に連れて帰りミルクを与え続けていたところなついてきたという。

 その後、自宅周辺をヤギの首にリードを付けることなく散歩するようになった。仲松さんは「つないでおくのが嫌なのでリードなしで散歩していたが、信頼関係があれば逃げていなくなるようなことはない。周りの人からは普通、犬みたいにヤギは散歩しないよと言われたりした」と話す。

 来間島へ戻ってからもヤギとの散歩は続いた。「そのころは散歩と言うより、エサとなる草を刈っている時間がなかったので連れて行って食べさせていたら散歩が日課になった」と当時を振り返る。

 そのうちヤギと散歩をしている仲松さんを見つけた観光客が付いてきて一緒に散歩するようになっていった。そのことを知った仲松さんの妻や、来間島で講座やイベント開催、伝統文化継承などの取り組みをしているNPO法人来間島大学まなびやーの砂川葉子代表から体験プログラムとして来間島観光に生かせないかとの要請を受けツアーを企画。2016年9月から体験モニターツアーを行い、昨年から「けんちゃんとヤギ散歩」が正式に事業としてスタートした。

 散歩コースは数種類有り、集落内や竜宮展望台周辺の遊歩道などをヤギと一緒に歩きながら仲松さんが島の自然などについて解説してくれる。仲松さんは平日、別の仕事をしているため、ツアー開催は日曜日のみとなる。散歩終了後は事務所で休憩をしながら仲松さんがいろいろな話を聞かせてくれるという。

 ツアーに参加した観光客はアンケートで「自然とふれあいながらのヤギとの散歩はおもしろかった」や「楽しく歩くことができた」、「さまざまな説明があって来間島のことを知ることができた」、「いろいろな植物を教えてもらい分かりやすかった」、「島の昔の話を興味深く聞いた」などの感想を記している。

 現在は、雄ヤギと雌ヤギの両方で散歩ツアーを行っているが、雄ヤギは臭いが強いため、将来的には雌ヤギだけとすることも計画しているという仲松さん。「ヤギと散歩して喜んでくれる人がいるのであれば、それだけでもいいと思っている」との考えを示す。

 来間島大学まなびやーの砂川代表は「島のことを知り尽くした仲松さんだからできるツアー。来間島でも新しいホテルが建設されていたりおしゃれなカフェができたりしていて発展しているようだが、集落の中はまだ静か。動線を集落内に通し観光客に来てもらうことで地域の活性化につながればとの思いからヤギ散歩を体験ツアーにするよう仲松さんに要請した」とヤギツアーに期待する思いを語った。

 「けんちゃんとヤギ散歩」に関する問い合わせは来間島大学まなびやーの砂川代表(電話090・1121・9689)まで。

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