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行雲流水
2018年1月9日(火)8:54

【行雲流水】(宇宙の中で)

 夜空にきらめく恒星は、自らの高温で輝いており、生命体は存在し得ない。その点、太陽の惑星である地球は、いろいろな偶然が重なって環境が整い、生命が栄えている

▼地球は太陽からの絶妙な距離で、生命の存在できる条件である水が液体で存在し、適当な質量で、大気を引きつけている。その大気は、何億年にもわたる藍藻等の大繁殖で酸素が増え、オゾン層が形成され、生命に有害な紫外線の侵入を防ぎ、生命を育む地球環境が形成された

▼地殻でのプレートの動きは時に火山や地震を起こすが、地球環境の動的平衡を保つ上で、果たす役割が分かってきた。自転軸が公転面に対して垂直でなく傾いているため、季節が生じていることも幸いである

▼このような環境のもとで、地上では、花が咲き、作物が実る。空では鳥が飛び、海では魚が泳ぐ。人間は生理的充足にとどまらず、科学や哲学、文学や芸術などの文化活動で生きる内容を広げ、深めている

▼ところで、ここ数十年で人間が行った化石燃料の大量使用で二酸化炭素が増えて、異常気象が多発、オゾン層も破壊されている。また、森林破壊で砂漠化がすすむなど、生命にとって地球環境は劣化の一途をたどっている。さらに、人間がつくる世界では弱肉強食の傾向が強まり悲惨なことが氾濫しているし、核戦争で自滅しかねないことと危惧される

▼地球は、広漠とした宇宙の中のオアシスである。そこでは一人一人の人間が十全に生きられる社会があってしかるべきである。新年の課題はそのための一歩前進である。

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