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行雲流水
2018年1月16日(火)8:54

【行雲流水】新成人の門出を祝う

 いつの時代でも、社会の未来を担うのは若者である。希望と不安を抱いて飛び立った新成人たちの門出を祝い、期待を寄せたい

▼ところで、新成人の出ていく社会には厳しいものがある。グローバル化はすすみ、あらゆる階層で格差が広がり、雇用の流動化が進んでいる。国の内外で、排外主義の風潮が高まり、「平和」の維持も心もとない。安心して学び、働き、自己実現をはかることはそう易しいことではない。しかし、社会の当事者として、試行錯誤しながらも、よき未来を展望しなければならない

▼その際、主体的な姿勢が求められる。たとえば、成人式には「振り袖」が無くても堂々と参加すればよい。できれば、記念になるイベントを立ち上げる行動力がほしい。ちなみに、石垣市白保では、新成人たちが、村民を集め、成人したことの喜びと、親や村人たちへの感謝を踊りで表現する行事を行っている

▼課題は、いかなる自己を選び取るかということである。詩人は詩でメッセージを寄せている

▼「どんな美しい記念の晴着も/どんな華やかなお祝いの花束も/それだけではきみをおとなにはしてくれない/他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ/自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ/でき上がったどんな権威にもしばられず/流れ動く多数の意見にまどわされず/とらわれぬ子どもの魂で/いまあるものを組み直し、つくりかえる/それこそがおとなの始まり/永遠に終わらないおとなへの出発点/苦しみと喜びの方法論だ」(谷川俊太郎)

▼新成人の幸せを祈るや切。

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