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郷友会便り
2018年2月7日(水)8:55

「来間島の風土と社会」出版/東京在の国仲晃行さん

故郷の歴史を後世に残す


このほど発刊した「来間島の風土と社会」を手にする国仲さん=本社東京支社

このほど発刊した「来間島の風土と社会」を手にする国仲さん=本社東京支社

 来間島出身で現在、東京都に住む国仲晃行(てるみち)さん(76)が、故郷の来間島の御嶽・拝所、年間行事、島の風習、島の行政、人物などを詳しくまとめた「来間島の風土と社会」をこのほど発刊した。

 国仲さんは、宮古高校から東京理科大学に進学、卒業後は製薬会社の研究部門に従事した。退職後、過疎化が進む島の様子を記録として残したいと思い、帰郷する度に島の友人やお年寄りたちから話を聞き取り、島に関する資料を収集してきた。

 本はB5版で192㌻。第1章は風土編。島の起こりから始まり▽御嶽・拝所▽年間行事▽来間島の民話・伝説▽島の風習▽墓▽島の遺跡・史跡・旧跡-などが紹介されている。

 第2章は社会編で▽島の行政▽教育▽人物▽生活▽用水▽自然災害▽福祉▽貢租と土地制度▽産業▽環境保全-などを詳しくまとめてある。

 来間島に祀られている神と御嶽・拝所は10カ所あり、表にまとめ、それぞれ写真を掲載し説明文を入れてあり後世に伝える資料本となっている。島の年間行事も1月から12月まで紹介しており、ヤーマスこもりウガンで歌われる祈願詞も注釈をつけ書き残している。島の大行事であるヤーマスウガンの内容も詳しく紹介されている。

 本の最終ページには来間島および宮古島の年表が記されており、1365年から2014年までの来間島、宮古島全体の動きをわかりやすくまとめてある。

 国仲さんは「口頭伝承されてきた島の神話・伝説や風習を受け継ぐ若者が少なくなり、同時に伝える側の年寄りも少なくなった。島に生まれた者として消えゆく島の文化を記録として残す事を痛感した。また、島に生まれた若い方達に島の事を知ってもらおうと思い出版した」と語った。

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