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2018年3月8日(木) 8:54

【行雲】(「平和」考)

 中国は、習近平国家主席の終身支配体制を確立し、腐敗撲滅、軍事力強化、世界秩序の再構築にまい進するようだ。米国、英国、ドイツ、イタリアの選挙結果をみても、世界の潮流は〝先祖返り〟しつつあるようにみえる。経済力と中華思想のあわせワザをもつ中国、難民や移民問題で揺れる欧米など、大国の動向が気がかりだ


▼人類はイデオロギー(東西冷戦)を克服し、進化した。その代わりに、国益、民族的感情、宗教という古い火種が再燃し出したようだ。1歩前進2歩後退かも


▼平和の維持は、人類が悩み続けてきたテーマだ。専制国家だけでなく、民主主義の国までが戦争を起こす。米国は、9・11同時多発テロの首謀者を追ってアフガンに侵攻した。世論と議会の圧倒的支持を得てのことだった


▼悪を憎むという「崇高な心」が戦争をひき起こす場合が多い。米国の市民がそうだったし、イスラム原理主義者も自爆テロを「聖戦」と称している


▼今に続く中東地域の戦乱は、クルド族の反乱を誘発し、今度はトルコ政府が武力鎮圧に向かうという。戦争と平和は〝あざなえる縄の如し〟あるいは〝コインの裏表〟のようなものかもしれない


▼国際場裏における「正義」の議論は水掛け論になりがちだ。イスラエルとパレスチナの争いは旧約聖書時代にまでさかのぼる。また、現代の領土をめぐる争いは国家主権の象徴だから妥協がむつかしい。自国の安全は、必ずしも他国から保障されているわけではない。専守防衛(侵さず侵されず)に徹するしかなさそうだ。