2018年3月17日(土) 8:54

【視点・焦点】苦境続く翁長知事/竹中明洋

 石垣市長選挙は自民・公明・維新が推す現職の中山義隆氏が勝利した。保守分裂選挙となり、当初は大激戦も予想されたが、蓋を開けてみると、トップの中山氏は次点の宮良操氏に4千票以上も差をつけた。


 ただ、候補者本人ばかりか支援する市議らのことまで誹謗中傷する怪文書が石垣市内はおろか遠く東京の永田町でも次々と出回ったことは、なんとも陰湿な印象を残した。週刊誌の編集部には、情報を提供するから特定候補のスキャンダル記事を書かないかとの売り込み電話までかかってきたそうだ。


 選挙結果についてすでに多くのメディアが指摘したとおり、「オール沖縄」が支援した候補が敗れたことで、11月に知事選挙を控えている翁長雄志知事にとっても手痛い敗北となったのは間違いないだろう。投票日翌日に菅義偉官房長官は、「(県内の)11人中9人の市長が入っていないオール沖縄にはきわめて違和感があるのではないか」と述べ、もはや民意は政権側にあると印象づけてみせたが、翁長知事が厳しい状況に追い込まれていることを物語る材料はこれだけではない。


 今年に入ってからの動きを列挙すると、まず先月4日投票の名護市長選挙で盟友の稲嶺進氏が敗北。それから1か月もしないうちに、翁長知事の古くからの支援者だった金秀グループの呉屋守将会長が、オール沖縄会議の共同代表を辞任。那覇市議時代からの同僚で、翁長知事が自ら「私の精神的支柱」と呼ぶ浦崎唯昭副知事が今月末で退任することになり、今月13日には辺野古移設工事をめぐり無許可での岩礁破砕は違法だとして県が国を相手に工事の差し止めを求めていた訴訟で、那覇地裁が県の訴えを却下した。


 とりわけ衝撃だったのが、呉屋氏のオール沖縄会議共同代表の辞任だ。辞任の理由について名護市長選での敗北の責任を取ったとしているそうだが、『琉球新報』の取材には、自民党保守政治の劣化を挙げつつ5月に沖縄に理解がある自民党政治家の後援会を立ち上げて保守政治を変えていくと説明した。


 呉屋氏といえば、県内大手企業のトップながら「辺野古に新基地をつくらせない」との立場を取り、4年前の知事選では公然と翁長氏を支援。オール沖縄のうち保守の部分を代表する人物だったはずだ。辞任の記事を読んだ沖縄のある有力経済人は「沈む船と距離を置いた感じですね」との趣旨で感想を漏らしていたが、私もそう受け止めざるを得ない。


 呉屋氏が去ったことに加え、もとは自民党県議だった浦崎副知事の退任で、翁長知事の支持基盤から保守色が薄まり、革新色が強くなることは避けられない。そうなれば前回知事選のような広範な県民の支持を集められるのか。翁長知事は再選に向けた戦略をどのように描いているのだろうか。


 かたや自民党の候補者選考の動きはこれから本格化する。現職の首長や大胆な経営手法で知られる企業人、さらには報道関係者の名前が取り沙汰されており、すでに立候補に意欲的な動きを見せている若手経営者もいる。


 カギは米軍基地問題を重視する公明党・創価学会の支持を得られる候補を擁立できるかどうかだろう。名護市長選の勝敗の帰趨を左右したとされるだけに、自民党県連もここに気を遣っており、選考作業の早い段階から公明党に関わってもらおうとの考えもある。


 しばらく国政選挙の予定がなく、永田町では「今年最大の選挙は、9月の自民党総裁選と11月の沖縄県知事選」とされる。全国から注目を集める知事選に向けた動きをしっかり見届けていきたい。

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